あの投石の5%ぐらいは、現地で中国人部下を通訳に立てて買春をしたり、中国での社員旅行にプロ小姐を同伴するような日本人駐在員に向けられたものではないか、と思っている。
反日教育世代の中国人が
日本に行ったら…
このころからの中国人の日本旅行ブームは、私が言うまでもないだろう。
反日教育世代の中国人が日本に行ったら、シャーッと日本刀を振り回す日本人はいなかった。
鬼子のはずが、妙に低姿勢で、「いらっしゃいませー」という。
中国の貧しさを知っている世代は日本の豊かさへのあこがれは持っていた。1978年の改革開放の初期、中国は日本の映画などを取り入れた。今の中国の老人は、映画監督のジャン・イーモー(張芸謀)はじめ、男性ならみな、高倉健のファンである。当時が青春時代だった人々にとっては、日本は国の仇敵であることとあこがれが交差する国である。
でもやっと行ってみたら、日本はいろいろ老朽化していた。昔のクラスのアイドルが、同窓会でちょっと残念だった……、みたいな。
今、日本に行くのは、一部の富裕層の高級旅行を除いては、地域的にも経済的にも二番手、三番手の人々である。例えばマンションの管理部の人が日本に遊びに行き、帰ってきたら、パソコンのスクリーンセーバーが金閣寺や、その他の日本の風景のローテーションになっていたとか、昔ではありえないことでうれしい。
多くの普通の中国人が、その目で日本を見たことが、一番対日感情を変えた。