中国人の対日感情が改善した、逆に日本人の対中感情が良くない、というニュースがあった。
私は今の時期に流される、こういう情報はあまり信用していない。
が、対日感情が昔より多少良くなったのは事実だろう。環境への配慮など日本の細部を認めることができるようになったのは、彼らの自信の裏返しである。漫画など優秀な娯楽コンテンツも貢献した。
そしてその“良い”の中身は、かつての豊かさへのあこがれから、自分たちが“消費する国”へのクールな変化でもある。
反感を持たれているうちが花、今や日本は特に「眼中にない」という優秀な若者も多い。悪感情でも大注目で不幸があれば大喜びから、いろんな国のウチのひとつに“格下げ”になり、もしくは経営者目線で、「いや、リーベン(日本)はまだ技術はあるし、真面目で使える。会社もヤスイ」。
中国は、悠久の歴史の国ではない。
その時々の情勢と、その場その場の自分の都合で、言うこともやることもコロコロ変わる国である。
日本もあまり振り回されず、対応していくべきだろう。
作家、(株)ダイエーと中国の合弁商社勤務後、作家に。近刊は『本当は怖い 中国発イノベーションの正体』。松竹で映画化された『中国てなもんや商社』(文藝春秋)、『日本人の値段』(小学館)など著書多数。2001年から北京大学留学を経て北京在住。ツイッターのアカウントは@tanizakihikari