一人ひとりの命は短く、
はかなくてもろい
一人ひとりの命は短く、はかなくてもろい。
そのことを悟って以来、私は「今回の」自分の人生を何に使って生きようか、と死からの逆算で考えるようになったのです。
人類という種にとって「生まれ変わり続けていく」ということが唯一の「永遠」であるとすれば、個体としての私がいつか滅んでも人類の「永遠」を真に願うのであれば、自分が今「命のバトン」を受け取ったからには、責任を持って次の世代にバトンをつなぎたい。そして、せっかくなら与えられた使命を一生懸命に果たすことで、何かを少しでも前に進めて次につなぎたいと思うのです。
それはコツコツとした地道な仕事を通してでもいいし、世界を変革する起業でもいい。また次の世代を担う子孫を残すこともひとつの命のつなぎ方ですし、生き様を記憶として次の世代へ残すこともできるかもしれません。
「今回の人生は、自分はどういう役割で生まれてきたか?」
「どういう分野で、どう時代をよりよく前に進めて次の世代につないでいくのか?」
そういった視点から今回の命の使い方を考えてみましょう。
体力や気力も含めて、現在の寿命で考えればおよそ30歳から60歳までが多くの人にとっていちばん情熱を傾けられる勝負の時間だと思います。この30年が、「今回の」命を燃やすピークの時期であり、人生の活動領域を最大限拡大させられる期間です。そう考えると、どうしても「時間がない」と思ってしまいます。最後のゴングは近いのです。
私も40歳を過ぎたということは、あとおよそ20年で今回の命のピークタイムは終わってしまう。その前後はある意味人生の「おまけ」だと思うのです。
私が60歳になったときは、おそらくまったく新しい発想と充実した気力、体力を兼ね備えた30歳の人が活躍しているでしょう。だから、このピークの期間のあいだにどれだけのことができるか、命をどれだけ燃やせるか、が勝負なのです。命の使い方、つまり「使命」が問われていると考えています。
(次回は、「団塊ジュニア」だからこそ思うことについてお伝えします。12/27公開予定です)