現時点でCATLに舞い込んでいる自動車メーカーとの電池供給契約を積み重ねていくと、「当初、20年までに50ギガワット時に据えていた生産能力目標が倍増する見込み。25年に300ギガワット時に達するラインも見えてくる」(CATL関係者)という。尋常ではない成長スピードだ。

 すでに、CATLは独BMWや中国・上海汽車らと提携を結んでいるが、今回のホンダとの戦略的パートナーシップの締結は、日本の自動車メーカーとしては初のケースとなる。

 では、“戦略的”にはどのような意味が込められているのか。両社それぞれに別の思惑がある。

 ホンダの本音はこうだ。「技術志向が強いホンダが、EVの性能を決定付ける電池の開発・製造を、海の物とも山の物ともつかぬCATLに丸投げするわけにはいかない」(ホンダのエンジニア)。

 だからこそ、電池パック(電池セルをつないだもの)に使用する部品や素材をカスタマイズしたり、電池の強度を高める設計にしたりするなど、ゼロベースで新型電池を協業して作り込む構えだ。

 一方のCATLは更に強(したた)かだ。

 実はいま、世界の大手自動車メーカーのほぼ全てがCATLに殺到しており、発注された仕事を100%受けられない状況にある。

 そのため、(ホンダのように)電動化に関する新しい技術を持っているメーカーや、ある程度まとまった数量を発注してくれるメーカーを戦略的パートナーとして優遇している。

 要するに、自動車メーカーに優先順位をつけて仕事を選んでいるということだ。EVの基幹デバイスを握っているCATLは、従来こそ立場が弱いサプライヤーだったが、今や顧客先の自動車メーカーよりも強い交渉力を有するようになったとも言える。