世界最高レベルのホスピタリティと奇跡とも呼ばれるサービスは、一朝一夕にできたわけではない。リッツ・カールトンはどのように伝説のサービスを生み出す組織になったのか? ゼロから現在のリッツ・カールトンを育て上げた伝説の創業者が語る成功法則。この連載では、同社の共同創業者、ホルスト・シュルツの著書『伝説の創業者が明かす リッツ・カールトン 最高の組織をゼロからつくる方法』(御立英史訳)の記事からその驚くべきストーリーやノウハウを紹介していきます。(初出:2019年5月23日)

【1分間マネジャーが語る】リッツ・カールトン創業者の偉大な3つの哲学【書籍オンライン編集部セレクション】

1分間マネジャー、ケン・ブランチャードが選ぶ
生涯ベスト5のリーダー

 ホルスト・シュルツに本の序文を書いてほしいと頼まれて、私は光栄に感じた。なぜなら、私はこれまで40年以上、世界中で何百人ものCEO(最高経営責任者)や社長と仕事をしてきたが、ホルスト・シュルツは間違いなくベスト5に入るリーダーだからである。

 ザ・リッツ・カールトン・ホテル・カンパニーの社長兼COO(最高執行責任者)を務めていたときのホルストの仕事ぶりからは、リーダーが組織に与えることのできる影響の大きさをひしひしと感じたものだ。

 ホルストは、組織が目標を達成して結果をつかむために必要なものは何か、人間関係において重要な役割を果たすものは何かということについて、明確な考えを持っている。そしてその考えを、社員との関係において、顧客との関係において、そして組織全体の運営において活かし、実践している。

 そんなホルストと私には、はっきり意見が一致している考えがある。それは、企業の利益とは、命令されなくても社員が進んで顧客を喜ばせようとする環境をつくったリーダーへの賞賛にほかならない、という考え方だ。

 長いキャリアの全体を通じて、ホルストは自身のリーダーシップ哲学のとおりに生きてきた。深く共感させられる彼の生き方、リーダーシップ哲学は、次の3つにまとめることができる。