理想の上司1位に導いた
「五黄」矢野監督のブレない信念
矢野監督は1968年12月生まれで、ナインコードは「ガイアの五黄」になります。
これまでの連載で何度か触れていますが、あなたは、五黄の特徴を覚えていますか?
五黄は、とても強いエネルギーと「不屈の精神」の持ち主です。
「矢野ガッツ」もこうした五黄としての、あふれるエネルギーを抑えきれないがゆえの産物だと、私は読んでいます。
五黄は、一度決めたことは方向性や方法が間違っていない限り、とことんやりぬく気質を持っています。
見た目は柔和で、心や懐の広い人も多い傾向にあります。そのため、周囲からの信望を集めやすいのです。
先ほど、矢野監督が「理想の上司の1位」に選ばれた話をしましたが、その理由として投票者からは以下のようなものがあったそうです。
「ほめるときはしっかりほめ、怒るところはしっかり怒るところ」
「勝利を一緒になって喜んでくれる」
このコメントを見たとき、「あ、いかにも五黄らしいな」と、私は思いました。
五黄は自分の中に信念や軸のようなものを強く持っています。
これは、他のナインコードに比べても比較にならないぐらい強いものです。ちょっとやそっとじゃブレません。
ほめるときはほめる、怒るところは怒る。
簡単そうにも感じますが、これが難しいのです。
管理職などを経験した人は痛いぐらいわかるのではないでしょうか。
人は感情に流されてしまう生き物です。
「怒りたくても、その人の悲しげな表情や置かれた状況に惑わされ、怒れなかった…」という人も少なくはないと思います。
プロ野球の監督ともなると、「怒る機会」は山ほどあるでしょう。交流戦も含めると年間140試合以上も戦うのですから。
それに、周囲からのプレッシャーや意見もすごいものです。
阪神は超人気球団ですから、他球団より監督として精神的にくるのは間違いありません。フロント、メディア、ファン、あらゆる方向から、ことあるごとに監督は責められます。
そうなると、強い精神力なくては選手に対してもメディアに対しても、発言にもブレが出てきてしまうというものです。
しかし、矢野監督を見ていると、そこに迷いは一切ないように感じます。
選手もほめるも怒るも“あること”が考えの軸としてありそうです。
それは、選手の「積極性」です。
積極的にやったプレーは、たとえ失敗しても矢野監督は絶対に怒らないそうです。
そんなプレーを褒めるぐらいといいます。
しかし、積極性がないプレーには厳しく怒り、指導します。
「やることやらん選手とかあきらめるような選手は使いたくないから」
そうコメントしたのは、ある試合で、最初の打席で怠慢な姿を見せた、新人の木浪選手に対してでした。
まだ試合の序盤、新人だからといって甘やかすことはせず、容赦なく代打を送り、試合から外しました。
全力でやらない姿勢や曲がったことが大嫌いな五黄は、どんなときでも自分の信念に沿って、一貫性をもって物事に臨みます。
そうした五黄としての気質は、矢野監督の指導を見ていれば感じるところです。
また、選手と一緒になって喜ぶ姿も五黄らしいといえましょう。
五黄を象徴するのは「地球」そのものです。
すべてと一体になっていることを重んじ、それに喜びを感じます。
「産経新聞」のネットニュース記事(19年4月19日)によると、矢野監督はファンに向けて「勝ったときは一緒に喜び合って、負けたときでも気持ちのつながりができていければいい」と、ファンとの“共闘”を呼びかけています。
こうした本人からの発言も、五黄らしさを感じずにはいられません。