同じ五黄の金本前監督と
矢野監督の決定的な違いは?
実は、前監督である金本知憲氏も「ガイアの五黄」です。
五黄には「破壊と創造」という一面があり、これは金本前監督、矢野監督、両者とも同じくしてありました。
金本氏は就任1年目に「超変革」と題し、阪神の若返りを図るべく、若手をどんどん送り込みました。
矢野監督も、阪神に足りないものを考え、昨年ドラフト1位で獲得した新人ルーキーの近本選手を不動の一番バッターに置くなど、これまでの殻を破りながら、新しい阪神の形を創造しています。
しかし、同じ五黄でも、金本前監督と矢野監督には、五黄としてのちょっとした違いがありました。
それが、五黄の【陽】と【陰】の概念です。
金本前監督はどちらかと言えば、現役時代の本人を見ても感じますが(五黄としての)血のにじむ努力と忍耐を大切にする【陽】のタイプ。
一方、矢野監督は(五黄としての)深い愛情を重視する【陰】のタイプであると、私は推測しています。
「選手のミスはすべて自分(監督)のせい」というスタンスを貫く矢野監督。
「日刊スポーツ」のネット記事(19年6月1日)を見ると、「俺のためにじゃなく自分のために、家族のために頑張れ」などと選手には声をかけているそうです。
それに対し、ある選手は、
「この選手がこう思っているから、こんな言葉を掛ければいいんじゃないかとか。そのタイミングがすごいんですよね。駆け引きというか…」
と発言しています。
矢野監督は、結果が出ずに二軍に行く選手にも、自ら出向き、その理由とやるべきことを監督自ら選手に言葉がけしているそうです。
人気球団であるがゆえに、ファンからの厳しい言葉も他球団に比べて多いのが阪神の選手。だからこそ、こうした矢野監督の深い愛情というのは、特に胸に響くのかもしれません。
この記事は6月半ばあたりに書いていますが、現状、選手たちは結果を残し、球団も予想を上回る好成績を残しています。
これも、矢野監督の五黄としての“強くブレない心で一貫した指導”と、どんなときでも選手を思う深い愛情あってのものでしょう。