30年間で50の新規事業(企業内起業17回、独立起業19回、週末起業14回)に携わり、2018年4月に介護業界に特化したマッチングプラットホームのブティックスを、5月に印刷・物流・広告のシェアリングプラットホームのラクスルの2社を連続上場に導いた守屋実さん。本連載は、守屋実さんの初の著書『新しい一歩を踏み出そう!』(5月15日刊、ダイヤモンド社)の内容をベースに、若手ビジネスパーソンに向けて「仕事のプロ」になるための具体的な方法を紹介してきました。そして、前回と今回の2回は、特別編として対談形式でお届けしています。お相手は、6月20日に『人生の中心が仕事から自分に変わる! 休み方改革』(徳間書店)を上梓した東松寛文さん。東松さんは、大手広告代理店の社員であり、リーマントラベラーという肩書でも活動する異色のビジネスパーソン。守屋さんと東松さんというユニークな2人による対談の後編をお楽しみください。

自分を振り返り、記録を残す習慣化で<br />さらなる成長が加速する守屋 実さん(左)と東松寛文さん(右)

 

週末ボランティアから始めてみては

東松:今、サラリーマンという言葉が、少し自己肯定感が低いというか、「サラリーマンは格好悪くて、独立起業している人は格好いい」みたいな空気感がある気がします。でも、一方で、その空気感によってサラリーマン自身も自分を防衛している面もあるのかなと。

守屋:サラリーマンという殻に閉じこもって、開き直っているということ?

東松:はい。どうせサラリーマンなんだから、自分はかっこ悪くても仕方ないというような。でも、そうではない選択もできるというか、上司にバレないでやる方法とか、そういう行動や環境づくりというのは、工夫次第でいらくでもできると思うんです。意識高い系の人たちは、自分でできるんだと思うんですけど、別に、意識高くない系の人ても、できる方法はいろいろあると思います。

守屋:そうですね。これは、『新しい一歩を踏み出そう!』にも書いたのですが、そういう人は、まずは週末ボランティアから始めたらいいと思います。まわりの友だちとか、友だちの友だちをたどれば、だれかしらベンチャーを立ち上げたばかりの人とかって見つかるはずなので。

東松:そうですよね。

守屋:別にベンチャーの手伝いでなくても、ボランティアそのものでもいいかもしれないですよね。これも本に書いたことですけど、以前、友人のデザイナーのオフィスを金曜日の夜だけ借りて、友人数人で金曜夜限定のバーをやったことがあります。これが意外に儲かったので、その収益金+αでフィリピンに小学校の校舎を寄付することにしました。校舎の鍵の授与式があり、私が代表で現地に行ったのですが、ものすごい歓迎を受けました。人生観が変わったと言うとちょっとオーバーですが、あれは一生忘れられない思い出ですね。

自己啓発本は、栄養ドリンクと同じ

守屋:話は変わりますけど、東松さんが最初に上司に有休をくださいって言った時って、かなり勇気が要りませんでしたか?

東松:それは、めちゃくちゃ要りましたね。有休は権利じゃんって言える人は苦労しないのでしょうけど、言えない人がいるっていうのも現実にはありますよね。なので、『人生の中心が仕事から自分に変わる! 休み方改革』では、そういう気の弱い人でも有休を取れるようになるための方法も意識して書きました。

守屋:「有休ください」って言えない人って、結構、いるような気がします。

東松:世の中の自己啓発本って、栄養ドリンクと同じだと思うんです。どれも読むとそのときは元気になれるけど、翌日とか2日後になると、「そうは書いてあるけど、でも、そんなこと現実にはできないじゃん!」っていう(笑)。

守屋:わかります(笑)。

東松:でも、守屋さんの本は栄養ドリンクではなくて、ちゃんと実行できる内容が買いてありますよね。変わりたいと思っている人は沢山いると思うんです。入社1年目とか2年目、3年目の人たちに今、「この本いいよ!」って勧めているんです。

守屋:ありがとうございます!(笑)。

東松:今日もランチのときに1年目の人にすすめました。社会人になって必ずしもやりたいことができるわけではないですけど、学ぶことがないみたいなことを言っていたので。それなら、これを読んでみなよと。たとえば、会社の中でも任された仕事以外のところでもチャレンジしてやってみるとか、今の環境にいても自分を成長させる工夫はいくらでもできるとか、そういう面で参考になるからと。