ラインとヤフーの経営統合会見記者会見で握手するZHDの川邊健太郎社長(左)とLINEの出澤剛社長。 Photo by Chiyomi Tadokoro

米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」の注目記事を短時間でまとめ読みできてしまう「WSJ3分解説」。今回は日本のインターネット史上最大の再編劇といえる「ヤフー・LINE統合」を取り上げます。WSJはどのように報じたのでしょうか。またGAFAに代表される巨大IT企業がひしめく米国の再編劇と今回の件を比較すると、何が見えてくるのでしょうか。(ダイヤモンド編集部 片田江康男)

ヤフー・ LINE統合に
早速課題をチクリ

 ソフトバンクグループで、Zホールディングス(HD、旧ヤフー)傘下のヤフーと、メッセージアプリ運営大手のLINEが経営統合するという衝撃的な第一報があったのは11月14日夜。日本のインターネット史上、最大の再編劇ともいえる出来事で、それ以来メディア各社は連日大きく取り上げています。週明けの18日に両社が統合を正式発表してもなお、注目を集め続けています。

 この日本の大ニュースを米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」はどう報じたのでしょうか。

 下記の記事では「日本のネット業界の巨人2社の統合は理想的な組み合わせに見える。問題は、統合をいかにうまく機能させるかだ」と、早速課題をチクリ。統合によってアジア発の巨大IT企業が誕生し、GAFAに代表される巨大IT企業に伍していけるのではないかという、日本の一部メディアとインターネット業界の熱を一気に冷ます論調を展開しています。

●「ウォール・ストリート・ジャーナル」より
>> LINEとヤフー統合、成否の鍵はどこに?

 その上で、「統合による大きな商機として期待できるのが、依然として現金社会の日本ではまだ黎明(れいめい)期にある電子決済市場だ」と分析。

 さらに、「究極の目標はおそらく、統合によって誕生する新会社の規模と幅広い業態を生かして、中国の『微信(ウィーチャット)』のような、対話メッセージからネット検索、買い物まで、あらゆるサービスが1カ所で済む『スーパーアプリ』を構築することだろう」と、その狙いを解説しています。