小泉進次郎環境相が、自民党農林部会長時代にまとめた「農協改革」が骨抜きにされようとしている。JAグループが、最も恐れてきた、非農家への金融サービス提供の制限を避けるため、JA京都が編み出した農家数の水増しの呆れた実態をレポートする。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)
JA京都の正組合員が1.8万人増!
農協の存在意義を否定する暴挙
「農業振興に力を入れる農協改革に水を差すだけでなく、JA(農業協同組合)の存在意義を否定する暴挙だ」
ある農協関係者が憤りを隠せない様子で語るのが、JA京都など京都府のJAが取り組む「非農家」の正組合員化の実態だ。
JAの組合員には、正組合員(農業を仕事にしている人・法人)と准組合員(農業を仕事にしていない地域住民)の2種類がある。つまり、正組合員こそJA本来の組合員である「農家」である。
正組合員は、株式会社でいう株主と同様で、JAの出資者であり、総会での議決権を持っている。
端的に言えば、JA京都が行っているのは、農業を仕事としていない地域住民の組織化であり、「農家数の水増し」である。