交渉してどうにかなるとは思っていませんでしたが、私はすぐに理解しました。その後、毎年1ヵ月の休暇を要求し勝ち取ったのです。翌年はギリシャに行きました。「会社に縛られないお金」で旅行ができただけでなく、交渉もできるようになりました。
私はもう会社の奴隷ではないのです。
自分で人生の選択ができるのが
経済的自由
その後、私は4回転職し、一度はクビになりました。次の仕事に就くまでの間、短いときは3ヵ月、長いときは5年間、仕事から離れました。目的は新しいキャリアに移ることや事業買収、旅行などさまざまです。
自分で辞めたのでないときは、なんの計画もありません。最近の転職は2011年のことで、そのときはそのまま引退するつもりでした。でも、どうなるかわかりません。私はお金を稼ぐことが好きなのですから。
娘が生まれたのは、仕事をしていない時期でした。こういうことは時間が自由に使えるときに起こるものですね。
今では娘も大人になりましたが、それまで娘が見てきた父親は、あるときは1日に18時間も働き、ほとんど家に戻らなかったり、別のあるときは寝坊して家でぶらぶらしていたりで、やりたいように過ごしていました。
そんな私を見てきたことで、お金に使われるのでなく、お金を持って、仕事を楽しむことの価値を学んだのでしょう。
娘が2歳のとき、妻は働いていた学校に戻りました。私はある事業を買収していた時期で、自由になる時間がたっぷりありました。夕方、母親が学校に行っている間、娘と私は「ライオンキング」の映画を何度も見ました。それまで私が見たすべての映画を合わせたよりも多くの回数を見たのではないでしょうか。
その頃、コップを積み上げてタワーをつくるなど、娘と遊んだことを今でも楽しく思い出します。私たちが大切にしている親子の関係性はこうやってつくられました。