論理・戦略に基づくアプローチに限界を感じた人たちのあいだで、「知覚」「感性」「直感」が見直されつつある。そんななか刊行され、各氏がこぞって大絶賛するのが、『「自分だけの答え」が見つかる 13歳からのアート思考』という書籍だ。

現役の美術教師でもある著者が、中高生向けの「美術」の授業をベースに、「自分だけのものの見方」で世界を見つめ、「自分なりの答え」を生み出し、それによって「新たな問い」を生み出すという「アート思考」のプロセスをわかりやすく解説している。700人超の中高生たちを熱狂させ、大人たちもいま最優先で受けたい授業とは――?

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「いったい、どこをどう見ればいいの?」

たとえば、授業でピカソの《アビニヨンの娘たち》をお見せすると、生徒のみなさんから次のような言葉が出ることがあります。

「この絵の場面や状況が全然わからない」
「フルーツのようなものが描かれているけれど、なんなのか判別不可能」

これは要するに「ピカソがなにを描こうとしたのかよくわからない」という意見だと思います。別のいい方をするなら、その作品の「見方」がよくわからないということでしょう。

今回扱うのは、この「アート作品の『見方』とは?」という問いです。「そもそもアートに『見方』なんてあるのか? あるのだとしたら、それはどんなものか?」……こんなことについて、一緒に探究の冒険を繰り広げましょう。

ところで、美術館に行った際に、こんな経験はありませんか?

話題の展覧会ということで企画展に足を運んだものの、いざ作品を前にしたら、なにが描いてあるのかもよくわからず、どこをどう見ればいいのかわからない……
なんとなく周囲の人に合わせて、作品の前で立ち止まってはみるけれど、自分が正しく鑑賞できているのかどうか、さっぱり手応えがない……

見た目が美しい古典絵画であればまだしも、現代のアートとなるとこんなモヤモヤを持つ人がほとんどではないかと思います。

さて、いつもならここでエクササイズをしていただくところですが、今回は、まずいきなりアーティストによる作品を見ていきます。

ご覧いただくのは、ワシリー・カンディンスキー(1866~1944)というアーティストが1913年に発表した《コンポジションⅦ》という作品です。

絵を見るにあたり、あなたに1つ質問があります。

この絵には「なに」が描かれているでしょうか?

それでは、どうぞ!