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相手に気持ちよく話してもらい、会話の主導権を握りながら情報を最大限引き出すための4つのアクションのうち、前回は、「相手を乗せる」「堂々と話を止める」について紹介した。今回は残りの2つ、「積極的に質問する」「とにかく笑顔」について説明する。

米国の大学やハーバード・ビジネス・スクールで学び、総合商社で丁々発止のビジネスを行ってきた経験を踏まえて、現在、日本人の英語力向上とグローバル・リーダーの育成に携わる著者が、最新作『グローバル・モード』から抜粋してそのコツを紹介する。

 相手に気持ちよく話してもらい、情報を最大限引き出すための4つのアクションのうち、前回は、「相手を乗せる」「堂々と話を止める」についてご紹介しました。今回は残りの2つ、「積極的に質問する」「とにかく笑顔」について説明しましょう。

質問は会議全体のためになる

 高文脈の環境では「質問が少ない」のですが、低文脈は「質問が多い」という特徴があります。

「低文脈」という、お互いが共有している前提があまりない世界では、話し手としては、聞き手が何を知っていて、何を知らないか、予測が立ちません。であれば、話し手側は、一通り説明するけれどわからないところは聞いてね、となり、聞き手側は、行間を読んで理解を深めるというよりは、直接的に「質問」をもって確認する。そんなスタイルになっていくのです。

「質問」というものは、相互理解のための道具です。実際、アメリカの大学の授業では、「教授にそんなことまで聞くの」というような質問がバンバン飛び交っていました。なかには、「それは教科書に書いてあるよね?」「さっき似たような質問が出たのでは?」「いくらなんでも幼稚すぎるのでは?」と思えるようなものもたくさんありました。

 それでも教授は嫌な顔をするどころか、笑顔で「ウェルカム!」といった感じで答えています。人と人が違えば、質問も違って当然です。

 グローバルのビジネスシーンでも、質問の役割は同様です。お互いの理解を埋めるための、必要不可欠なツールです。

 しかし、私たちは正直、質問することに慣れていません。企業研修でよくある光景としては、講義中に質問をせず、休み時間にコソッと聞きに来るというものです。「こんな初歩的な質問をして」と周りの人に思われるのが嫌だとか、「自分の質問ごときで周りの貴重な時間を奪ってはいけない」という遠慮があるのかもしれません。

 しかし、実際、その人の質問に講師が答えることでクラス全体の理解度が上がるということも十分あり得ます。1人の質問が周囲の理解を促すのです。

 以前、アメリカ人の部下から、「That’s a very good question!」(→それはいい質問ですね)と言われたことがあり、それを見ていた日本人の部下が、「いい度胸してますね」と言ったのが印象的でした。日本人の感覚からすると、部下は上司から質問が出ないくらい完璧に準備すべきで、それを対等な立場かのように振る舞うのに驚いたのでしょう。

 アメリカでは、日本よりも部下と上司の関係がフラットだということもありますが、そもそも質問が必要不可欠のもので、それなくしてコミュニケーションは成り立たないという前提による部分が大きいといえます。

 質問はお互いの考えを深めるための格好のツールであり、質問を積み重ねることで、相手自身も言語化できていなかった真のニーズに行き着くことができるかもしれないのです。そして、相手に対して質問することは、相手の話への興味でもあります。積極的に質問をしていきましょう。

 May I ask some questions?
 →質問をしてもよろしいでしょうか?
 (いきなり質問もありですが、丁寧なフレーズから入るとベター )
 May we learn a little more about XXX? 
 →XXXについて、もう少し教えてくれませんか?
 (もう少し掘り下げるためのフレーズ。May weで始める丁寧な言い回し) 
 Could you talk more about XXX? 
 →XXXについて、もう少しお話頂けませんか?
 I was hoping I could ask you more about XXX. 
 →XXXについて、もう少しお話をお聞きできるとありがたいのですが
 Can you let me know more about XXX?
 →XXXについて、もう少しお話頂けませんか?