「書いて共有」でトラブルを未然に防ぐ

リモートワークきっかけで仕事を改善させる方法―「段取り」で仕事は劇的に変わる水野学(みずの・まなぶ)
good design company代表。クリエイティブディレクター、クリエイティブコンサルタント。
ゼロからのブランドづくりをはじめ、ロゴ制作、商品企画、パッケージデザイン、インテリアデザイン、コンサルティングまでをトータルに手がける。
おもな仕事に、相鉄グループ「デザインブランドアッププロジェクト」、熊本県「くまモン」、中川政七商店、久原本家「茅乃舎」、イオンリテール「HOME COORDY」、東京ミッドタウン、オイシックス・ラ・大地「Oisix」、興和「TENERITA」「FLANDERS LINEN」、黒木本店、NTTドコモ「iD」、農林水産省CI、宇多田ヒカル「SINGLE COLLECTION VOL.2」、首都高速道路「東京スマートドライバー」など。著書に『「売る」から、「売れる」へ。水野学のブランディングデザイン講義』(誠文堂新光社)、『センスは知識からはじまる』『アウトプットのスイッチ』『アイデアの接着剤』(すべて朝日新聞出版)など、共著に『世界観をつくる』(朝日新聞出版)がある。

水野 リモートワークになって、何をやっているかが全員把握できるようになったので、トラブルが未然に防げるようになりました。

(全員の仕事を公開するというルールについては、前回の記事を参照ください)

トラブルに満たないトラブルが起きている、もしくは起きそうだということが把握できため、警戒信号を出すことができるのです。

たとえば、あなたが提案書を作っているとします。今日までにラフを作り、明日には仕上げをおこなう予定だとしたら、今日のうちにラフの段階で、上司に一度チェックしてもらったほうがいいですよね

そうすると、早い段階で軌道修正ができるかもしれません。仕上げたものを上司に見せてやり直しとなれば、がんばって作業した2日間が全部無駄になってしまう可能性もあります。

「自分の仕事が見えている」ことは、周りの人にとっても、本人にとっても、良いことです。トラブルを含め、お互いの無駄な時間を減らせますから。

――そうした「確認作業」もリモートワークではネットを介しておこなわれることが多くなりましたよね。何か工夫をしていますか?

水野 オンラインの会議ツールを活用しています。画面共有ができるのがいいですね。

最近では、iPadにペンで、画面共有したものに直接書き込む、といったこともおこなっています。メンバーがデザインしている画面に、直接指示を書き込んでいくのです。

どこにいても、「じゃあ、ちょっと画面共有して」と、デザインを見ながら、その場でできるのが便利です。「ここをもう少し広げて」とか、「これ、もうちょっと大きくして」とか。ものすごく便利ですよね。

――職場で直接上司から口頭で「ここをこうして」と言われても、忘れてしまったり、解釈を間違えてしまったり…なんてこともありました。言った・言わないでもめることも…。

水野 そう、言った・言わない的なものも含め、コミュニケーション上のストレスは減ったかもしれません。デジタルを介したやりとりはデータも残しやすいので、ごまかしがききませんし。

――そういう意味でも見える化ですね。会議はどのように変化しましたか?