もちろん、コロナによる親のストレス、いら立ちを子どもにぶつけてしまうケースも相当数あるでしょう。

 一方で、コロナがもたらしたものとして、人々の“孤立化”が大きなキーワードになります。そして、虐待を生む大きな原因もやはり孤立化。より具体的には親の孤立化です。コロナと虐待が、孤立化というキーワードでつながってしまうと考えています。

 孤立していくと人は自信を失いがちになりますよね。子育てで言うと「私はいい親なのかな」「子どもに泣かれると悪い親だって言われている気がする」といった思考に陥り、そこから虐待に向かってしまう……。孤立している親の虐待リスクが高いことは、昔からよく知られていますが、コロナで孤立する親が増えると、虐待リスクもやはり増えていくでしょう。

 もう一つの大きな問題は、コロナによって、虐待を防ぐ官民のセーフティーネットも一斉に機能しなくなったことです。少しずつ回復してきてはいるのですが、4~5月に乳幼児健診や、(地方公共団体が設置し、保護を必要とする児童への支援を協議する)要保護児童対策地域協議会も機能が止まりました。また、保育園に養育の一部を担ってもらっていることで、何とか虐待に至っていなかった親御さんたちが、休園によって心身共に追い込まれてしまうケースも考えられます。

――感染症ではありませんが、東日本大震災など過去の大きな災害が虐待につながることはあったのでしょうか。

 東日本大震災の際に子どもだった人々も大きなトラウマを抱えました。ですが、後に問題になったのは、震災の年に生まれた、もしくは胎児だった子どもです。