参加者の25%(159人)を朝型生活の人が占め、その平均就寝時刻は22時52分だった。一方、23%(146人)を夜型生活の人が占め、就寝時刻は零時36分だった。その他の52%(330人)は、朝型・夜型のいずれにも属さなかった。睡眠時間は、朝型の人が平均383.8分、夜型の人は376.1分で統計的な有意差はなかった(P=0.127)。
年齢、性別、民族、就労の有無、糖尿病罹病期間、および睡眠時間で調整の上、朝型と夜型を比較した結果、夜型の人の方が身体活動量が少ないことが分かった。例えば座位時間は、朝型の人が平均746.3分であるのに対し夜型の人は774.7分で、28.7分/日(95%信頼区間8.6~48.3)長かった(P=0.001)。反対に中~高強度の身体活動の時間は同順に22.3分、12.5分で、その差は-9.7分/日(同-14.9~-4.6)であり、夜型の人は朝型の人より56%少なかった(P=0.001)。軽強度の身体活動も同順に189.2分、155.7分であり、夜型の人の方が有意に短かった(P<0.001)。
2型糖尿病は、肥満や身体活動が少ないことが関係して発症する。世界で4億6300万人、成人の11人に1人が糖尿病に罹患しており、その数は2040年までに7億人に達すると予想されている。この現状を背景にHenson氏は、「糖尿病患者を含むすべての人にとって身体活動が重要だ。身体活動は健康的な体重と血圧の維持に役立ち、心臓病のリスクも抑制する」と解説。「糖尿病患者が活動的な日常生活を始め、その状態を保ち続けることを支援する大規模な介入が今、喫緊の課題である」と述べている。
また、論文の共著者の一人である南オーストラリア大学のAlex Rowlands氏は、「この研究結果は、2型糖尿病患者の行動に関する洞察を深めるものだ。就寝時刻が遅いことと身体活動量が少ないことの関連は明らかである。この事実は、糖尿病患者が健康的な生活を実践しようとする際に、貴重な情報となるだろう」と語っている。(HealthDay News 2020年9月30日)
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