大豆食品摂取量と前立腺がん死亡が関連――JPHC研究
大豆食品の摂取量が前立腺がんによる死亡リスクと関連することが、日本人対象の研究から明らかになった。国立がん研究センターなどによる多目的コホート研究(JPHC研究)によるもので、詳細は「International Journal of Epidemiology」9月23日オンライン版に掲載された。
大豆食品や大豆食品に多く含まれるイソフラボンは、これまでの疫学研究から、前立腺がんに対して予防的に働くことが報告されている。JPHC研究でも過去に、大豆食品やイソフラボンの摂取量が多いほど一部の前立腺がんのリスクが低いことを報告している。大豆食品による前立腺がんリスク低下のメカニズムとしては、イソフラボンの化学構造が女性ホルモンのエストロゲンに似ていることから、エストロゲン作用が前立腺がんの進展抑制に関与するのではないかと考えられている。
しかし、これまで報告されてきた一連の研究は、がんの進行度によって結果が異なり、前立腺がんによる死亡リスクとの関連も明らかにされていなかった。そこで今回、同研究グループでは、大豆食品やイソフラボンの摂取量と、前立腺がんによる死亡リスクとの関連を検討した。