思い切って「堕落」してみると何かやりたくなる
――何の予定もない休日によくやっている趣味や、無理なく長く続けていることも、自分の「好き」を知る第一歩だとありますが、これといった趣味がない人はどうすればいいでしょうか。
川原:これは裏技ですが、おもいきり堕落するのもオススメです。人間は怠惰な生き物なので、いったんだらけ始めると、どこまでもだらけます。そのときの気分でやりたいことしかやらないと決めて、とにかくダラダラしてみる。僕自身、堕落するのが大好きで、よくソファに寝転がってジャンクフードを食べながら、ネット上の動画を見たりしています。
でもあるところまで堕落しきってみると、だんだん飽きてきます。そして、「何やってるんだろ?」と、ふと我に返る瞬間がきて、じっとしていられなくなるんです。そのとき、何が頭に浮かんで、どうしたくなるか。正直な自分と向き合ってみてください。
この方法は、本当に何もしない自分になることを怖がるとダメなんです。「本当はもっと良くなりたい自分」を信じきれないと、堕落することもできません。そのままダメな人間になりそうで、ついSNSとかを見て、他人のことが気になったりするので……。
――川原さんは、堕落しきったとき、何をやりたくなりましたか?
川原:たとえば、ずっとYouTubeを見ていると、「これ、自分が作ったほうがもっとおもしろくできるな」とか「ここはもっとこうしたほうがいいのに」と思いはじめます。何か食べても「これにレモンを添えたらおいしくなるのに」とか、いろいろアイデアが浮かんでくることが多いですね。
だらだらしていると、だんだんつまらなくなってくるから、何か楽しいこと、おもしろいことがやりたくなってソワソワしてきます。
――堕落してすべてゼロリセットしてみると、本来の自分がよりクリアになる。あなたの魅力はあなたの中にある、外の世界に探しにいかなくてもいいと、この本でも強調されていますね。
川原:じっとしていられなくて、どうしてもだらだら堕落できない人は、前々回の「プロデューサーが明かす、こんまりのたった一つの強みとは?」でお伝えしたように、やはり集中的に家の中を片づけることが一番効果的です。生活環境を変えることは、誰の許可もなく、いつでも自由にできます。家の中にあるモノは、すべて過去のあなたが選んだモノ。その過去を「残すか、手放すか」を考えて、ときめかないモノたちを手放すことは、自分がどうありたいのかを考える作業なのです。
現状を変えられなくても、せめて家の中でだけは本来の自分を取り戻して、居心地のいい空間で生活すると、精神的なゆとりができます。「たかが片づけで?」と思う人もいるかもしれませんが、そこだけは気合いを入れてがんばってほしいです。