株を買う前には
「成長シナリオ」を描く
――過去に「こんなことがあった」という事例があれば、教えていただけますか。
私の過去の経験でいえば、ある仮想通貨関連の企業で「これはいい会社だ」「これから伸びそうだ」と思って投資した会社がありました。
でも、しばらくしたら創業社長と経営陣が対立して、いろいろと揉めごとが出始めたことがあったんです。
それで社長自身が保有する自社株を売り始めたので、「ああ、そういうことになってしまったのなら、違うな」と思って、そのタイミングで私も株を売却しました。
その売却では損失を出しましたが、「損をするから売らない」「持ち続ける」ということではなく、あくまでも私にとっては事前に描いた成長シナリオが崩れて「成長を見込める会社」「応援したい会社」でなくなったら売るということなのです。
買ったときの株価より値下がりして「含み損」を抱えて、マイナスの状態で売却することを「損切り」といいますが、損切りが下手な人は株で損します。
株価が下がっても「いつか反転するだろう」と根拠もなく塩漬けする人は多いのですが、事前に描いた成長シナリオが崩れた時点で売るのが鉄則です。
ということは、株を買う前に成長シナリオをきちんと描いておく必要があるのですが、そこは話が長くなるので、『10万円から始める! 小型株集中投資で1億円【実践バイブル】』を読んでいただければうれしいです(笑)
――考え方やビジョンが明確だからこそ、そこにしっかりとした基準が持てるんですね。
もちろん、私も最初からそんなことができたわけではなくて、いろいろと勉強しながら、自分なりのやり方を見つけてきました。
そういう意味では「自分自身の勉強に投資できる人」というのも、「儲かる人」「損する人」を分ける要件かもしれません。
本質的なところを勉強しようとせず、とにかく目先の「儲け」だけ追い求めている人は、結局は損をしてしまうのかな、と感じます。
「儲けたい」という気持ちはわかりますし、誰だって儲けたいのですが、目先の儲けを追い求めてばかりでは、投資家として本当に「得する人」ではないと思います。