リーダーによって
好みの説明手法は異なる

 これまで会話したことのある相手に対しては、相手の説明手法が、ある程度見当がつくという人が多い。そういえば、「順を追って丁寧に話してくれ」とよく言っている、「結論から先に言ってくれ」が口グセだ…などと思い当たる人もいるに違いない。

 同じ部門で演習する際は、相手の好みを推定して説明し、それを自撮りして自分で確認して修正したり、相手からフィードバックを受けたりして反復演習を行う。2時間の演習で、ほとんどの人が説明手法を使いこなせるようになる。

 初対面の相手で、説明手法の好みがわからなければ、経過手法、分解手法、逆算手法、積上手法のいずれかを繰り出してみて反応を探る、あるいは、「今回は経過をたどって丁寧に説明してみましたが、いかがでしたでしょうか」と相手に説明手法の好みを聞いてしまうという手もある。

 リーダーによって、説明手法の好みは異なる。グラフ2で示したリーダーは、事業革新のけん引者なので、過去の経験や現状からの積み上げで説明されることはあまり好まず、また、貢献することは当然のこととして改めて説明されることを好まないように見受けられる。一方で、安定成長の担い手である他のリーダーの中には、経過手法や積上手法を好む人もいる。

 説明される側の好みを見抜いて、相手に合致した説明手法を繰り出すことで、話がかみ合わない状況がいち早く解消されることを願ってやまない。