どんな時代でも生き残れる不動産投資家になるための極意とは何か? 不動産投資で利益をあげ続けるためには、基本となる知識やノウハウを学ぶ必要があります。ハーバード大学デザイン大学院で最先端の知識を学び、それに自身の体験から得たノウハウをミックスして体系化したハーバード式不動産投資術』(上田真路著、ダイヤモンド社)が発売されました。本連載では、世界のどこでも通用する、遍的で再現性のあるナレッジである不動産投資術について、同書の中から抜粋してそのエッセンスをわかりやすくお届けします。良い不動産をデザインするとは、どういうことか? 驚異のリターンを実現するファイナンスの極意とは? 不動産投資のリスクをどうコントロールしたらいいのか? などについて、実際の事例(ケース・スタディ)を踏まえてそのメカニズムを解き明かしていきます。不動産投資を始めたいと思っている人、すでに始めている人、さらに上を目指したい人必読です。好評連載のバックナンバーはこちらからどうぞ。

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GPI(満室時家賃収入)÷表面Cap Rate=日本版Valuation

 では、Cap Rate(期待利回り) が高い、低いとは具体的にどういうことなのだろうか?

 例えば、東京新宿区高田馬場にある物件の期待利回りが、5%ということは投資した金額を回収するのに20年かかる計算になる。

 では僕の故郷、高知市の駅前物件では期待利回りは上がるだろうか、はたまた下がるだろうか? これはリスクとリターンの関係で理解できる。

 高田馬場の物件に比べて、過疎化の進む高知の物件はリスクが高いので、投資回収のための期間を短くしたいのが投資家の心情だろう。つまり、10年ほどで回収したいとすると、期待利回りはリスクに対して高くなくてはならない。約10%程度の期待利回りがなければ、誰も高知の投資物件を買わないだろう。

 逆に東京駅前、日本の経済の中心である丸の内のピカピカのビルはどうだろう。丸の内は100年経っても丸の内だ。必ず賃貸ニーズがあり、家賃も高い。こういった場所のリスクは極端に低いので、何十年も持っていたい企業だって個人資産家だっている。

 この場合の期待利回りは上がる、それとも下がる? そう、答えは極端に下がる。ニューヨークのマンハッタン、ミッドタウンではさらに下がるだろう。世界中の人が買いたいのだ。

 リスクが極端に低いし、将来の値上がりの可能性だってある。東京丸の内では2~3%の期待利回りでも十分に買い手がつくのだ。

 試しに、この物件の数字を入れて表面Cap Rate 6%で不動産評価をしてみよう。

 GPI(満室時家賃収入)÷表面Cap Rate=日本版Valuation
 960万円÷6%=1億6000万円

 非常に単純な計算の結果は1億6000万円だ。つまり、あなたの物件を1億6000万円で買って、6%の期待利回りで年間の満室想定家賃収入960万円を得たい一般投資家がいるということを示している。

 もうおわかりだろう。あなたが1億2000万円で創り上げたこの物件は、総開発費用以上の大きな価値があるのだ。

 1億6000万円で売却できれば単純計算で4000万円の売却益(キャピタル・ゲイン)だ。