2020年分から、確定申告書の雑所得の欄が3区分になりました。小さな変化ですが、これは国税庁がサラリーマンの副業への税務調査や、仮想通貨(暗号資産)の分析に本腰を入れたシグナル。Uber Eatsの配達員として稼いだり、自分のホームページでアフィリエイトの広告収入で稼いだりする人が増えてきており、そこに国税庁が狙いをつけているのです。もし、あなたがサラリーマンで副業をしているなら、所得税の確定申告は避けて通れません。特集『最強の節税』(全22回)の#18では、国税庁の狙いを元国税査察官であり税理士の上田二郎氏が解説します。(元国税査察官・税理士 上田二郎)
申告漏れを監視しやすくするため
確定申告書に「小さいが大きな変化」
2020年分から確定申告書に小さな変化がありました。これまで雑所得の欄は「公的年金等」と「その他」だけだったのですが、2020年分から「業務」が加わって三つに区分されたのです。
「業務」欄で申告するのは、副業収入のうち営利を目的としたものです。具体的には、自分のホームページでアフィリエイトなどの広告収入を得たり、休日にUber Eatsで配達員として稼いだりした所得などが該当します。
税理士でないとあまり気付かない小さな変化ですが、これは国税庁がサラリーマンの副業への税務調査や、仮想通貨(暗号資産)の分析に本腰を入れたシグナルといえます。
申告書上では小さな変化ですが、その意味するところは非常に大きい。これにより、今まで国税から目を付けられにくかった副業が、白日の下にさらされることになったのです。