2021年に入り、再びバブルの様相を呈する仮想通貨(暗号資産)市場。以前バブルといわれる現象が起きたのは約3年前、17年末から18年にかけてのことだった。実は今、この3年前のバブルでもうけた仮想通貨長者たちが国税に狙われる可能性があるのだという。特集『最強の節税』(全22回)の#13では、仮想通貨をはじめ、サラリーマンも要注意の税務調査リスクについて解説する。(ダイヤモンド編集部 笠原里穂)
仮想通貨バブル再来の今
なぜ3年前の億り人が標的に?
ビットコインをはじめとする仮想通貨(暗号資産)の価格が高騰している。この状況を見て、かつての仮想通貨バブルを思い出した人も多いだろう。
2017年末、ビットコイン相場にバブルが訪れた。この年の初めには1ビットコイン(BTC)=1000ドル弱にすぎなかったが、12月には2万ドル超まで急騰。18年に入って急落したが、このわずかな間に巨額の利益を得た「億り人」が誕生した。それから3年が経過した今、再び市場はバブルの様相を呈している。
だが、価格高騰に浮かれてばかりもいられない。仮想通貨取引で出た利益は、もうけた人ほどたくさん税金を取られるからだ。
サラリーマンの場合、仮想通貨の利益は雑所得に分類され、給与収入など他の所得と合計した上で課税される。税率は住民税と合わせて最大55%の総合課税だ。申告分離課税の対象である株式の売却益などとは異なり、もうけた人ほど税率は高くなる。
さらに元国税局職員の税理士はこう警鐘を鳴らす。
「国税は今年、仮想通貨を相当狙っている」――。
中でも要注意なのが、3年前のバブルでもうけた仮想通貨長者だという。
なぜ今、「3年前の億り人」がターゲットになるのか。また、税務当局はどのように狙いを定めてくるのか。