ビジネスエリートのためのExcelデータ分析の教科書#1
Photo:PIXTA
大型連休中にじっくり読みたいおすすめ記事をダイヤモンド編集部がセレクト。本日は21年1月18日に配信されたこちらの記事をお届けします。

飲料メーカーに勤める入社1年目の宮田正夫はExcelの「超初心者」。課長から指示された大量のデータ入力作業を機に、作業効率化に向けてセミナーに参加した。関数などへの苦手意識を克服し、データを駆使しながら営業成績アップにつなげることはできるのか?特集『ビジネスエリートのためのExcelデータ分析の教科書』(全10回)の#1では、ストーリーの前編をお届けする。

「週刊ダイヤモンド」2015年2月28日号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

Excel「超初心者」が
一人前になるまでのストーリー

 とある金曜日の昼下がり。昨年春に念願の飲料メーカーに入社した宮田正夫(仮名・23歳)は、いつにも増して気分が高揚していた。今夜は久しぶりに、大学時代から付き合っている彼女の千恵とデートする約束をしているからだ。

「お世話になっております! ダイヤ飲料の宮田です。このたび発売になった新商品の……」

 久しぶりの新商品の案内にもかかわらず、飲食店の反応があまり良くないなあと気をもみつつも、今夜のデートを思い浮かべると、がぜんアポ取りにも気合が入る。

 午後3時。ようやく切りのいいところで受話器を置くと、後ろに課長が立っていた。

写真:紙資料の山

「宮田、この資料、悪いが入力しておいてくれないか。担当のスタッフさんがあいにく休みなんだ」

 そう言って宮田の机の上に置いていったのは、山のようにある営業日報だった。これを全てExcelファイルに、データ入力する必要があるという。

 がむしゃら営業は得意でも、Excelなど事務作業が苦手な宮田はため息をついた。気を取り直して課長からメールで送られてきたExcelファイルを開くと、営業担当者ごとに商品の数量や売り上げなどが入力された、大量のデータが表示された(図‐1)。

 画面を下にスクロールすると、自分が入力する件数だけでも軽く500を超えている。

「売上計(G2)」のセルをクリックすると、「=E2*F2」という計算式があった(図‐2)。

「単価(E2)」と「数量(F2)」を掛け算して、「売上計」を出すための式だ。この式をほかのセルにコピーすれば、わざわざ「売上計」の数値を手で入力する手間が省けそうだ。

 それでも入力項目は、日付、担当者、商品コード、商品名、単価と5項目もある。

 顔面蒼白になりながら、入力を繰り返し、ふと時計を見るとすでに午後6時。まだ120件しか入力できていない。

 彼女に「ドタキャン」のおわびメールを打つと、「大変だね。がんばって」と返事が来た。再び入力を始めると金曜日分の作業がようやく終わったのは、終電時刻の2分前だった。

「始発で帰るか」。ため息をつきながらそう覚悟を決めると、時間つぶしのためExcelについてインターネットで調べ始めた。

 すると、質問サイトには、Excel作業で悲鳴を上げている人の声が驚くほど多いことに気付いた。そのサイトでは、Excelの達人たちが、丁寧に質問に答えている。

写真:キーボード

「そっかあ、もっと関数を使えば効率化できるのか」。今まで掛け算、割り算の計算式しか使わず、“力業”で作業してきた自分が、何だか恥ずかしくなってきた。

 ふと、日曜日にExcelセミナーがあると彼女が話していたのを思い出した。自分への投資と思い、早速オンラインで申し込んだ。