営業マンになった当初、僕は、週に3件の新規契約をお預かりすることをKPIにしていましたが、そういうKPIを設定するのをやめたのです。僕は弱い人間です。短期的なKPIに追われると、お客様に「売りつける」ような過ちを犯してしまいかねない。それよりも、一人ひとりのお客様と誠実に向き合って、信頼関係という「資産」をコツコツと築くことに集中すべきだと考えたのです。
結果は「出す」ものではなく、
「出る」ものである
もちろん、「営業で日本一」になるという目標は捨てません。
だから、僕は、プルデンシャル生命保険の過去のデータを洗い出して、「日本一」を取っている人の「売上」をざっくりと把握しました。そこから逆算すれば、どれだけの「量」のお客様にアプローチすれば、その数字に迫ることができるかをだいたい弾き出すことができます。
であれば、「毎週、これだけの数のお客様にアプローチをする」と決めて、それを実行すればいいだけです。これはKPIではなく、自分との約束です。「やる」と自分と約束をして、その約束を果たせばいいのです。自分との約束をコツコツと守り続けること。その習慣が、自分との約束をどうしても守りたくなる自分を作り上げるのです。
あとは、とにかく目の前のお客様と丁寧に向き合っていくだけです。
一本のメール、一本の電話、一件の提案書、一件の面会……。その一つひとつをお客様の立場に立ちながら、絶対に手を抜かずに丁寧にこなしていく。その努力をコツコツと積み上げれば、必ず「結果」はついてくると信じました。
そして、ライバルとの競争はできる限り意識しないようにしました。毎週、営業成績のランキング情報が更新されるたびに「トップとの差」をチェックしていましたが、「差を縮めよう」とするのではなく、「自分がやるべきこと」「正しいこと」をコツコツとやり続けることだけを考えるように、自分に何度も何度も言い聞かせたのです。
だからこそ、僕は初年度に「日本一」になることができたのだと思います。結果は「出すもの」ではなく、「出るもの」です。そう信じてコツコツ努力をすることが、営業という仕事においても大事なのだと、僕は確信しているのです(詳しくは、『超★営業思考』に書いてありますので、ぜひお読みください)。