海外の節税#8Photo:PIXTA

富裕層を最期まで悩ませる課税。それが相続税だ。その対策を語る上で欠かせない基本中の基本は、「贈与」と「生命保険」、そして「不動産」である。特集『海外の節税 富裕層の相続』(全21回)の#8では、#4で見た前者二つに続き、中でも相続税額への影響の大きい、残る不動産について解説。「不動産の組み換え」のポイントを、相続不動産コンサルティングの第一人者、青山財産ネットワークス執行役員の高田吉孝氏が伝授する。

相続対策目的の不動産購入は
通常の不動産投資と異なる!

 一般的な不動産投資における不動産購入と、相続対策としての「不動産の組み換え」を目的としたそれでは、物件選びのポイントが変わってくる。下表は、収益不動産を購入する際の基本的なチェックポイントをまとめたものだ。

 昨今の不動産市場における売り手優位の市場を鑑みれば、購入予算と市場価格の関係から、これら全てのチェック項目で満足のいく物件を見つけるのは至難の業。とはいえ、一般的な不動産投資でも、「不動産の組み換え(相続対策)」でも、表にあるチェック項目が少しでも良い物件を選ぶべき点は同じである。

 ただし、相続対策として不動産を購入する場合、さらに幾つかのポイントを加えた上で、検討する必要がある。資産家のための相続対策の極意として、物件選びにおける最重要ポイントを次のページで解説しよう。