日本企業の経営幹部の給料は
15カ国中で下から4番目

 そして経営幹部レベルになると、日本の給料は15カ国中、下から4番目に沈む。日本の下にはフランス、インド、マレーシアしかない。日本の経営幹部の給料は、米国に対しては47%、中国に対しては34%、韓国には17%低い。フィリピン、タイ、インドネシアよりも低くなっているのだ。

 にわかに信じ難いかもしれないが、このデータは企業が実際に支払っている金額を分析した結果だ。この衝撃の事実の「深層」を、データを取りまとめたマーサージャパンの伊藤実和子プロダクト・ソリューションズ プリンシパルに聞いた。(以下、談)

伊藤実和子プロダクト・ソリューションズプリンシパルマーサージャパンの伊藤実和子プロダクト・ソリューションズプリンシパル Photo:Mercer Japan

 まさかここまで他国を下回るとは――。日本企業の給料の実態に、大きなショックを受けた人は多いのではないか。実は大手企業のグローバル人事担当者の間では、「日本の給料は安い」と近年盛んに言われるようになっていた。言い換えれば「海外の給料は高くなっている」という現実でもある。この状況を示したのが、今回のデータだ。

 今回のデータでショッキングなのは、経営幹部レベルでは欧米先進国や中国、韓国ばかりか、フィリピンなど東南アジアの一部の国々にも給料面で劣るという点だ。こういった国では、昇進し役割が大きくなると、急なカーブを描いて右肩上がりに給料が増える。なぜならどの国でも、「役割の大きさに応じた適切な報酬を与えなければ、優秀な人材が転職して流出してしまう」からだ。