廃業急増!倒産危険度ランキング#19Photo:solidcolours/gettyimages

コロナ禍で事業存続に疑念があるとして監査法人に「イエローカード」を突き付けられる企業が急増中だ。「継続企業の前提に関する注記」や「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載があった上場企業は9年振りの高水準になった。特集『廃業急増!倒産危険度ランキング2021』(全23回)の#19では、記載があった89社の背景を徹底分析した。(ダイヤモンド編集部副編集長 大矢博之)

GC注記・重要事象は89社
21年3月期は9年ぶり高水準

 会計監査のプロである監査法人によって、企業の事業が存続できるかどうかの判断で「イエローカード」を突き付けられた──。

 新型コロナウイルスの感染拡大で業績が悪化し、危うい財務状況に陥った企業が急増中だ。

 東京商工リサーチの調査によれば、2021年3月期決算を発表した上場企業約2400社のうち、監査法人が決算短信で事業存続性に疑念ありとする「継続企業の前提(ゴーイングコンサーン)に関する注記」(GC注記)を付けた企業は26社(6月3日時点)。

 また、GC注記には至っていないものの、事業継続に重要な疑義があるとして「継続企業の前提に関する重要事象等」の記載があった企業は63社だった。

 GC注記・重要事象の記載があった3月期決算の企業の合計は1年前から6社増の89社で、9年ぶりの高水準だ。

 これまでのピークはリーマンショック時の145社(09年3月期)。とはいえ、コロナ禍前のここ数年は50~60社台で推移していた状況と比べれば、コロナ禍が企業に与えたダメージの深刻さがうかがえる(上図参照)。

 それはイエローカードの理由からも一目瞭然だ。全89社のリストとともに見ていこう。