総予測#38Photo by Kazutoshi Sumitomo

新型コロナウイルスの感染拡大で大打撃の旅行業界。2020年、業界首位のJTBも、もがき苦しんだ。約6500人の人員削減をはじめ、アフターコロナに向けて構造改革を打ち出している。21年の展望と生き残り策について山北栄二郎社長が明かした。特集『総予測2021』(全79回)の#38では、JTBの山北社長が21年にJTBで行う大胆改革の全貌を明かした。(ダイヤモンド編集部 山本興陽)

「週刊ダイヤモンド」2020年12月26日・2021年1月2日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

21年はまだ耐える時期
BtoB領域の強化を行う

――2020年、新型コロナは旅行業界に大打撃を与えました。21年はまだ耐える時期ですか。それとも攻めに転じますか。

 日本人の海外旅行、訪日インバウンドの需要回復が想定よりもだいぶ遅くなってきているのは事実で、21年上半期は特に大きな影響を受けます。従って、21年はかなり耐え忍ぶ年になるのは間違いないでしょう。それに向けてさまざまな構造改革を進めています。

――構造改革では、ビジネスソリューション、つまりBtoB領域の強化を掲げています。

 旅行を軸にして108年にわたり、さまざまな方々とのお付き合いがどんどん広がってきていますからね。企業が社員のモチベーションを高めるプログラムのツールとして研修・旅行を取り入れるなど、高度なソリューションで収益性が高まるのは間違いないです。

――裏を返せば、これまでのビジネスモデルは付加価値を生み出せていなかったということですか。