総予測2022#富士通Photo by Hideyuki Watanabe

日本のレガシー企業の代表格だった富士通がデジタル化を機に従来の製造業から脱皮しようとしている。特集『総予測2022』の本稿では、同社の時田隆仁社長へのインタビューをお届けする。時田氏はデジタル化のソリューション事業を強化する考えを示すとともに、5G(第5世代移動通信システム)関連では北米市場での事業拡大に自信を見せた。(ダイヤモンド編集部 千本木啓文)

「週刊ダイヤモンド」2021年12月25日・2022年1月1日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は原則、雑誌掲載時のもの。

数千億円規模の企業買収に意欲
人材・社内システム投資も拡大

──2021年は富士通が開発した東京証券取引所のシステムに障害が発生するなど、トラブルへの対応に追われました。

 10月の東証のシステム障害以降、富士通が扱っているシステムのレジリエンス(外的障害への耐性力)の再点検に傾注しました。

──障害が続出したみずほ銀行のシステム開発にはかつて時田さんご自身が関わっていたそうですが、今後の改修などで貢献できることはありますか。

 東証と同様、みずほの発表内容以外に申し上げることはありません。富士通として顧客企業からの期待に応えられなかった面がありました。信頼を再構築するために、不断の点検を行っていきます。

──電機業界では日立製作所やパナソニックが1兆円規模のM&A(企業の合併・買収)を実施しました。富士通は十分に成長投資ができていないのではないですか。