考えたことを具体的なアクションに結び付ける
世の中は評論家であふれています。テレビに出演して無責任なコメントを繰り返す評論家だけでなく、会議の中では対案を出さずに会議が終わってから他者の批判をする人、環境が悪いから結果を出せないと文句を言う人、業績が悪いのをコロナのせいにするだけで資金調達や業績改善に向けた打ち手を何も考えない経営者―。
このように、具体的な事象に対し、低い視点のまま問題点を見続けていても、現状批判は生まれても本質的な解決策は何も見えてはきません。どのような状況下でもアーキテクトは視点と自由度を上げて一人で考え、自ら動いて結果を出さねばなりません。
考えたことをアクションに結び付けて結果を出すための一番のポイントは、アクションプランを先にも述べたような「1日に1行をアウトプットする」というような、実行可能なレベルまで具体化することです。
読者の会社でも、以下のような経験はないでしょうか?
●今回失注したのは、顧客ニーズの分析が甘かったからだという結論に達した。次からは顧客ニーズの分析を怠らないようにしようと課長が課員に言った
●今期は業績悪化が見込まれているので、社長が全社員に向けてコスト意識を高めるように言った
●従業員満足度調査の結果、上司と部下の関係性が希薄になっていることがわかった。もっと関係性強化に向けた努力をするように人事から通達が届いた
これらは解決策の方向性としては間違っていないのかも知れません。しかし、意識を変えようと呼びかけたところで、人の行動はそう簡単には変わらないものです。
アーキテクトは抽象化した解を考える一方で、実現に向けて具体的なアクションプランを発想する能力も有していなくてはなりません。