危険を排除すると仕事の効率がよくなる!?

なぜ、会社はもうからないのか?、なぜ、現金が手元に残らないのか?――。その答えが「安全をおろそかにしているから」なのだとしたら、簡単に腑に落ちる人は多くないかもしれません。取引先ゼロ+キャッシュフローほぼゼロ+金融機関からの融資拒否という経営状態だった鍛造工場を引き継ぎ、わずか数年でもうかる体質に変貌させ、上場企業に100億円で売却した平美都江氏。その半生をつづって大きな反響を得た前著『なぜ、おばちゃん社長は価値ゼロの会社を100億円で売却できたのか』に続き、爆発的な利益をたたき出せる経営ノウハウを、マンガを交えて解説していく第2弾『なぜ、おばちゃん社長は「絶対安全」で利益爆発の儲かる工場にできたのか?』を上梓しました。一見結びつきにくいと思われがちな「安全対策」と「利益」。本連載では、平氏の考えと取り組みのエッセンスを抜粋・再構成のうえ紹介します。

「人よりもフォークリフトが優先」

 たった1人の弟をフォークリフト事故で失った私ですが、言うまでもなくフォークリフトは非常に汎用性が高く、全国の現場で使われています。

 実は、私が行った経営改革の重要なポイントがフォークリフトの積極活用なのですが、それは別の機会に述べることとします。

 フォークリフト事故を二度と起こさないため、私は

●正しい乗り方・使い方を学ばせ、資格を取らせる

 ことに加え、

●人よりもフォークリフトを優先する

 ことに努めました。

 人しか入ってはいけない部分は別途指定し、それ以外は常にフォークリフト優先、もしくは人の通行自体を禁止。ゾーンを色で塗り分け、直感的に分かるようにしました。

 とにかく、事故の可能性を最小化するよう、人とフォークリフトの分離に努めたのです。

 他にも、次のような対策を打ちました。

●フォークリフトには走行中大きなメロディーを出す装置を、通路にはフォークリフトが近づくと光で知らせる装置を設置
●危険箇所にはカーブミラーや標識を多数設置
●夕暮れ時や夜も見通しを確保するため常時明るい照明を点灯