感動小説『精神科医Tomyが教える 心の荷物の手放し方』の著者が、voicy「精神科医Tomy きょうのひとこと」から、とっておきのアドバイス。心がスッと軽くなる“言葉の精神安定剤”で気分はスッキリ、今日がラクになる!
自分の気持ちを加工してしまう人
きょうのひとことは、
「自分の気持ちを否定せず、物事を解決しましょ」
悩みやトラブルは、日々発生します。そうした問題をひとつひとつ解決しようと、思い悩むこともあるでしょう。
その対処法には、教科書があるわけでもなければ、絶対的な正解があるわけでもありません。
だったら、より心がラクになる対処法とか、より苦しまないで済む対処法を参考にしてみるのがよいでしょう。
そのポイントは、「自分の気持ちを否定しない」ということです。
あなたの仕事の環境が、とても耐えられないくらいストレスフルだとしましょう。
考えられる対処法のひとつは、シンプルに我慢すること。もうひとつは、ストレスの原因を突き止めて、その原因を排除すること。さらには、思い切って職場や仕事を変えるという方法も考えられます。
対処法は人それぞれなので、唯一絶対の正解はないわけですが、大切なポイントが「自分の気持ちを否定しない」ということなんですね。
人はいろんな問題や辛さを予感したり直面したりすると、自分を守ろうと心の防衛反応が働きます。これを心理学の世界では「防衛機制」といいます。
その点、自分の気持ちを否定することで、問題を乗り越えようとするクセがついている人が、けっこう多いんです。
先ほどの例でいうと、「仕事の環境が、とても耐えられないくらいストレスフルだ」という現実があるのに、「そんなにストレスフルでないのかもしれない」「仕事だって好きでやっているんだ」なんて、自分の気持ちを曲げることによって、現実の問題にフタをしてしまおうとするのです。
そして「間違っていたのは自分のほうで、そもそも問題はなかったんだ」というふうに自己暗示をかけてしまったりします。
しかし、耐えられないくらいストレスフルだという現実は変わりませんから、モヤモヤを抱えたままになってしまいます。
ストレスフルな目の前の現実が変わらないうえに、自分の気持ちがよくわからなくなってしまったりして、さらにストレスフルになってしまうリスクもあります。
自分の気持ちをごまかしてしまうことで、問題を長引かせるばかりか、問題を増やしてしまう可能性だってあるのです。
「私は職場の環境に耐えられないくらいストレスフルだと思っている」という最初の気持ちを否定せず、まずは大事にとっておくことです。「なんて自分は情けないんだ」なんて自己否定しなくてもいいんです。
最初に感じた自分の気持ちを頭の中で認識して、大事にしてあげること。それを起点に物事を解決していこうとすると、結果としてモヤモヤしなくなりますし、自分の性格の素直さをキープできるという効果もあります。
きょうのひとことは、
「自分の気持ちを否定せず、物事を解決しましょ」
でした。
参考になったかしら?