「ワークマンシューズ」で
一般靴市場に参入した裏事情

 最後に、なぜ「ワークマンシューズ」で一般靴市場に参入したかの裏事情を紹介する。

 ワークマンの「しない経営」の中で、経営者が唯一関与するのは進出市場の選択だ。

 5割も間違う低打率の凡人経営者としては嫌なことだが、避けられない。

 参入基準は「無競合」と「強み」が活かせることだ。

 ワークマンは作業服小売で圧倒的なシェアを41年間もキープしている企業だ。

 競合した経験はなく、競合すると必ず負ける自信がある。

 ポイントカードがなく、セールもしない。

 陳列するだけで自然に売れる製品しか作ってこなかったからだ。

 だから、競争がない市場を選ぶことが必須となる。

 一般靴の小売市場のメリットは下記の3つだ。

1)靴小売でダントツNo.1のABCマートとは価格帯が完全に異なる
→ワークマンの最高価格のシューズがABCマートの最低価格の商品より安い

2)ゼロからの参入でなく、一般靴では小売のトップ10入りしている
→一般靴の新製品はすべてが奇跡的にヒットして、この数年は前年比で2倍の成長が続いていた

3)一般靴の市場規模は大幅に縮小しているので、有力企業の新規参入の脅威が少ない
→「残存者利得」が得られるチャンスがある

 これ以外に、季節性や流行が少ないことも魅力だ。

 2段階の販売方式のメリットも出る。

 予選リーグとして「ワークマンシューズ」店で勝ち抜いた売れ筋シューズだけを、靴売場面積の少ないワークマン全店舗で決勝リーグ的に販売するつもりだ(次回最終回は5/8配信予定)。