【「コツコツ練習」が続かない方へ】いろんな曲が簡単にすぐ弾ける、今までにないピアノの学び方

いざ、ピアノを始めてみたいと思うものの、忙しくなかなか練習時間が取れない。そんな人も多いのではないでしょうか。そうして結局、「いつまでも弾けるようにならないし……」「音楽の知識も身につかないままだし……」と諦めてしまっていませんか。
そんな方に朗報があります! 初心者でも、ピアノをすぐにかんたんに弾けるようになる方法があるのです。なんと、そのカギは「作曲」にありました。そもそも、作曲とはどういう作業をすることなのか。なぜ、作曲を知ると、ピアノが弾けるようになるのか?
今回は『楽譜がよめなくても90分でいきなりピアノが弾ける本』の著者であり、自身もピアノレッスンを実施している作曲家、ボカロPのmonaca:factoryさんに聞いてみました。(取材・構成/イイダテツヤ)

「ピアノ」と「作曲」を同時に学ぶメリットとは?

――『90分でいきなりピアノが弾ける本』はピアノ本でありながら、作曲についても書かれています。これはどうしてなのでしょうか。

monaca:factory(以下、monaca):それは、作曲家目線で書かれているから。もっと言えば「ピアノが弾けるようになる本」でありながら、その本質は「作曲を教えている本」でもあるからです。

――それはどういうことですか。

monaca:この本には、よくあるピアノ教本のような「指の動かし方をひたすら練習しましょう」という類のことはほとんど書きませんでした。

 反対に、他のピアノ教本には書かれていない「音楽って、こういった仕組みでできています」や「よくある音楽にはこんなパターンがあります」といった音楽の構造の話が、めちゃくちゃ簡単にわかるように載っています。

 そういうことを理解すると、ラクに、簡単に、いろんな曲が弾けるようになります。さらに、それは作曲をするときのアプローチとほぼ同じなんです。

――それはおもしろいですね。ちょっと抽象的な質問になるんですけど、そもそも作曲するとは、どういう作業のことですか。

monaca:昔の定義で言えば、メロディを作ること。それが作曲だと思われていました。だから「鼻歌でも作曲はできます」みたいなことが言われます。

 でも、鼻歌でオリジナルのメロディを歌ってみても「作曲してる感じ」にはならないですよね。ただテキトーな感じがするだけで。

 それに対して、伴奏やギター演奏、ドラム演奏などいろんなものを含めて総合的に曲全体を作り上げていくことが、いわゆる作曲というイメージになっていると思います。

 鼻歌でメロディだけ作っても子どもだましみたいじゃないですか。伴奏があって、それにメロディが乗って初めて作曲になる。そんなイメージです。

――その作曲の部分がこの本を読むとできるようになるわけですか。

monaca:まさにそうです。この本では「指の動かし方を練習して、ベートベンやモーツァルトの曲を弾けるようになりましょう」ということは一切やりません。

 この本のメインでいちばん楽しいところは「音楽の『よくあるパターン』を知って、それを組み合わせていくと、いろんな曲が簡単にすぐに弾けるようになる」というところです。

 このパターンこそ、じつは曲の伴奏の部分なんです。

 曲にはいろんなパターンがあるんですけど、簡単に言うと「伴奏のパターンがいろいろある」ということです。いくつか知っていれば、それを組み合わせるだけで、すぐに自分なりの伴奏パターンが作れます。それに合わせて、自分なりのメロディを乗せることができます。

 それを一緒に弾いたら、もう完全に自分の曲ですよ。本当に短い時間で、作曲ができるようになってしまう。この本ではそんなことまで学べます。

――そう言われると、すぐに作曲ができそうな気がしてきますね。

monaca:作曲自体は本当にすぐできるようになります。プロのような曲を作るには、当然、その先での時間や労力が必要となります。「作曲をしてみる」とか「こうすれば曲ができあがっていくんだ」と体感するのは簡単です。少しでも興味がある人は、ぜひこの本を読んで試してみてくださいね。