大学2022_劇変の序列・入試・就職#2Photo:PIXTA

首都圏の超難関私立大学である、早稲田大学、慶應義塾大学、上智大学、東京理科大学。「早慶上理」と呼ばれるトップ大学群の人気・序列は、この5年でどう変化したか?特集『大学2022 劇変の序列・入試・就職』(全24回)の#2では、2校に受かった場合に進学先として選ばれる大学が分かる「W合格進学率」の最新データを過去と比較して読み解く。すると、ある「力」が早慶上理の序列を動かしたことが分かった。(ダイヤモンド編集部編集委員 竹田孝洋、同部 山出暁子)

慶應、早稲田序列に「異変」
その背景には「ある力」が

 少子化で受験人口の減少が止まらない中、大学側が求める学生を集めるべく、あの手この手で改革に着手する大学が増えてきた。大学の「序列」を見る最も分かりやすい指標は偏差値だが、数年前には見られなかった変化が偏差値の裏側に隠れているケースがある。そこで今回は2018年と22年の入試の比較から、昨今起こっている変化を見ていきたい。

 ここでは、両方の大学に受かった生徒が、どちらを入学先として選んだかが分かる「ダブル(W)合格進学率」のデータから人気を読み解いていく。進学率が高い方が、人気がある、選ばれる大学だということだ。

 特に注目は「早慶戦」。18年と22年を見た場合、大学全体のW合格進学率を比較すると、18年は早稲田大学が28.5%で慶應義塾大学が71.5%と慶應大が圧勝していた。だが、早稲田大が徐々に追い上げ、21年は早稲田大35.1%、慶應大64.9%、さらに22年は早稲田大39.9%、慶應大60.1%とその差が確実に縮まっている。

 偏差値の水準はほとんど変わらない両校だが、この変化はなぜ起こっているのか?上智大学、東京理科大学との勝負も加え、早速見ていこう。「早慶上理」の序列の変化は、「ある力」の強弱が起こしていることが分かる。