メンタルが壊れる瞬間とは?

──芸能界に限らず、どうしても「早く結果を出したい」と焦る人は多いと思いますが、キャリアの初めの頃からいきなり売れることには、リスクもあるのでしょうか。

ひろゆき:うーん、「嫌われ慣れ」の問題じゃないかと思うんですけどね。

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──嫌われ慣れ?

ひろゆき:長年続けて成功している人は、ちょっとずつ嫌われてきたんですよ。最初は1つだったアンチコメントが、1つ、また1つ、と増えていって、10年以上かけていま、「アンチコメントが常に送られてくる」という状態になっている。

 でも、一気に売れちゃった人って、その長年やってた人が10年かけて築いてきた耐性を半年で身につけないといけないので、その分、ガクッと凹んじゃうんですよ。

──なるほど。慣れる時間が足りないうちから注目されてしまう。

ひろゆき:10年くらいやってる人は、「キモい死ね」って書かれても、「あ~、こういう人いるよね~」で終わりなんですけど、一気に売れちゃった人は、「自分のことをキモいとか死ねって書く人がいるんだ」という事実そのものにショックを受けちゃう。

 しかも、有名になると、「お前高校のときこんなんだったじゃねーか」みたいな個人情報を書いてくる人も出てくる。この「キモい」ってコメントも、もしかしたら、自分の友達が書いてるんじゃね? と、いろんなことを疑い始める。誰も信用できなくなるんですよ。

「他人にどう思われるか」を気にしなくなった理由

──よく「メンタルを強くするには」といった方法を見かけますが、では、結局のところ、耐性をつけるしかないのでしょうか。

ひろゆき:それしかないと思いますよ。1000人くらいに嫌われたら、1001人目が増えたところで、絶対何も感じないじゃないですか(笑)

──そうですね、たしかに(笑)。

ひろゆき:だから、早めに経験を積んだほうがいいんじゃないかなと。

 赤ちゃんはどうにもならないことが起きたときに泣きますけど、大人になるにつれて、泣く回数は減るじゃないですか。「思い通りにならなかったら泣く」というのを何度もやることで、思い通りにならないことにちょっとずつ慣れて、耐えられるようになっていくんですよね。

 なので、大人の「嫌われ慣れ」についても同じで、基本的には、どれくらい耐えて慣れるかの問題だと思います。

──ひろゆきさんにもアンチコメントが来ることもあると思うのですが、メディア露出が増えて徐々に耐性がついたんですか?

ひろゆき:僕は、ネットに触れる前から人とよく揉めてたんで、嫌われるのが普通だったんです。理不尽に嫌われるみたいなのも経験してましたしね。

──クラスメイトとか?

ひろゆき:も、そうだし、小学生の頃、好意を持ってトカゲをばらまいたら下のおばさんに怒られるみたいなのもあったし(笑)。

──トカゲ!? それはよかれと思ってばら撒いたんですか?

ひろゆき:はい。喜ぶだろうなーと思ってばら撒いたらそうでもなかったっていう(笑)。

 でも、そのときに「自分にとって価値があるものが、他人にとって価値あるとは限らないんだ」って気がついたんですよ。おばさんに怒られたとき、「親切でばらまいてあげたのに、ひどい」って理解できなかったんですけど、それ以降、仕方ないことなんだと考えるようになって。

 僕は自分が良いと思うことをする。その結果、相手がどう思うかは気にしない。それくらいの気持ちでいるのがいちばんいいんじゃないかと思います。

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第1回 「パワハラされたとき」のたった1つの反撃方法

ひろゆき

本名:西村博之
1976年、神奈川県生まれ。東京都に移り、中央大学へと進学。在学中に、アメリカ・アーカンソー州に留学。1999年、インターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。2005年、株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任し、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年、英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。2019年、「ペンギン村」をリリース。主な著書に、シリーズ50万部を突破した『99%はバイアス』『1%の努力』(ダイヤモンド社)がある。

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