全国3000社が導入し、話題沸騰のマネジメント法「識学」の代表・安藤広大氏の最新刊『数値化の鬼』。「仕事ができる人」に共通することは、「数字で考えること」や「数値化のクセをつけること」だと言う。数字によって自分の不足を客観的に受け入れ、次の行動設定や行動変容につなげることによって、人は「急成長」する。「数字で人を見るな」「数字がすべてではない」ということはよく言われるが、「数字」は決して無視できない存在。この本では、「感情を横に置いて、いったん数字で考える」「一瞬だけ心を鬼にして数値化する」など、頭を切り替える思考法を紹介した。
この記事では、「友達が部下になったら、最初に何をすべきか?」について特別に語った。

「友達が部下になった最初の日」に絶対にやらないといけないことPhoto: Adobe Stock

ある日、突然「上司部下」になる

 みなさんは、友達が部下になったことがあるでしょうか?

 仲間同士で会社を立ち上げたり、友達を自分の会社に引き抜いたときなど、社会人になると、そのような場面がおとずれます。

 そうでなくても、新卒で同時に入った同期がいるでしょう。20代の頃は、毎日のように飲み歩き、上司のグチを言い合い、友達のように過ごしたかもしれません。

 しかし、あるとき、それはおとずれます。

 友達のように付き合ってきた同期が、上司部下の関係性になるのです

 このときに、どう振る舞えるか。

 それにより、社会人の人生が大きく変わってきます。

「今日から敬語です」

 私の体験を話しましょう。

 今の会社、株式会社識学を立ち上げるとき、私は前職で仲の良かった人をメンバーに選びました。

 ただ、友達のような関係性は、最初の日にやめるようにしました。

 具体的にやったのは、下記の3つです。

・タメ口ではなく敬語に切り替える
・プライベートで遊んだり、2人で飲みに行くのをやめる
・会社での物理的な距離をあけるために席を離す

 以上です。要するに、友達のような関係性をやめる、ということです。

 これをいうと、「そんなことするなんて人としてどうなんだ!」という批判が必ずきます。

 しかし、私は、こうすることを徹底しなくてはいけないと思っています。

 なぜなら、いくら仲が良かった人であろうと、「他の人と同じように接することが何より重要」だからです。

何より「感情」を抜きにすること

 私と彼が、オフィスでタメ口を話し、2人だけで頻繁に会っていたとしたら、他のメンバーの目にはどう映るでしょうか。

「あの2人だけで大事な話をしている!」
「私たちは仲間はずれだ!」
「あの人だけ多くの情報を持っていてズルい!」

 そう見られるに決まっています。

 テレビで活躍する漫才コンビは、元々は学校での友達だったり、幼馴染みであることが多いと言います。

 しかし、プロとして仕事をしていく上では、お互いの役割をハッキリと作り、2人で友達のように付き合うのではなく、あくまで「仕事上の関係」として徹することがブレイクの秘訣だといいます。

 友達として距離が近いと、どういうデメリットがあるのでしょうか。

 それは、仕事に「感情」が大きく入り込んでしまうことです

 友達というのは、一緒に楽しいことをする関係性です。なので、ケンカをしたり、気に食わないことがあれば、簡単に解消することができます。

 しかし、仕事は違います。相手のことが性格的に嫌いだろうと、目の前の仕事を前に進めなくてはいけません。

 感情を脇に置いて、仕事上のコミュニケーションをとらないといけない、ということです。

 そのためには、日頃から「なあなあの関係」をしないようにしておかないといけません。

 勢いのいいベンチャー企業は、成長しているときは友達同士の関係性でもうまくいきます。

 しかし、どんな会社も、ピンチが訪れます。

 そのときに、失敗を受け入れなかったり、「まあ、大丈夫だよね」「なんとかなるよ」としか言えないから、大きな分裂が生まれるのです。

 有事のときに、ちゃんと冷静に仕事に取り組めるよう、上司部下としてのルールを決めるようにしましょう。

 そのためのリストは、

・タメ口から「敬語」に切り替える
・2人だけで飲みに行くのを「やめる」
・会社での物理的な距離をあけるために「席を離す」

 です。これを友達から上司部下に変わる「最初の日」に、必ずやるようにしてください。

安藤広大(あんどう・こうだい)
株式会社識学 代表取締役社長
1979年、大阪府生まれ。早稲田大学卒業後、株式会社NTTドコモを経て、ジェイコムホールディングス株式会社(現:ライク株式会社)のジェイコム株式会社で取締役営業副本部長等を歴任。2013年、「識学」という考え方に出合い独立。識学講師として、数々の企業の業績アップに貢献。2015年、識学を1日でも早く社会に広めるために、株式会社識学を設立。人と会社を成長させるマネジメント方法として、口コミで広がる。2019年、創業からわずか3年11ヵ月でマザーズ上場を果たす。2022年7月現在で、約3000社以上の導入実績があり、注目を集めている。20万部を突破した最新刊『数値化の鬼』(ダイヤモンド社)の他に、36万部のベストセラー『リーダーの仮面』(ダイヤモンド社)がある。