男性の3.5人に1人、女性は5.6人に1人が生涯未婚と、独身者は急増中。いまや「一生ひとりかもしれない」というのは、普通の感覚です。しかし、税金や社会保険などの制度は結婚して子どもがいる人を中心に設計されており、知らずにいると独身者は損をする可能性も。独身者と家族持ちとでは、本来お金についても老後対策についても「気を付けるべきポイント」が違います。独身者がひとりで楽しく自由に生きていくためにやっておくといい50のことを税理士の板倉京氏が著した「ひとりで楽しく生きるためのお金大全」から、一部を抜粋して紹介します。
独身者は、税金も生活コストも実は割高!
「結婚はコスパが悪いからしない」という人がいます。
コスパがいいか悪いかは、価値観の問題なので何ともいえませんが、シンプルにお金の問題だけで見ると、必ずしもそうとはいえません。
実際にどっちのコスパがいいのか、比べてみましょう。
まず、生活コストを考えてみましょう。独身者は家族持ちに比べて、かかるコストの総量は少なくなることが多いでしょう。とはいえ、1人が2人になったからといって、コストが倍になるわけではありません。
住まいについては、独身時代に住んでいたところに結婚後も住み続けるという話も聞きますし、仮に結婚して30m2の部屋から60m2の部屋に移り住めば、有効スペースが広くなり(トイレやお風呂は同じくらいの広さだから)快適になる上に、家賃も光熱費も倍まではかかりません。
食事も1人分を作るのも2人分を作るのも、材料費で考えるとさほど変わりはありません。独身者の場合、1人分の料理を作るのは面倒くさいし、外食やテイクアウトの比率が高くなっている人も多いのではないかと思います。そうなれば、逆にコスト高です。コスト効率という意味では、独身者は分が悪いと言えそうです。
そしてさらに、コスパが悪いのは、税金や社会保険料です。