50歳を過ぎたサラリーマンは
「成仏」しないと幸せになれない

 20歳前後で会社へ入ったとして定年までの期間は約40年、自分が目指す部長なり役員なりになれたとしても恐らくその在任期間は10年もあれば長い方だろう。でももう50歳を迎えて自分が考える出世ができていないのなら、そこで気持ちを切り替えた方が良いと思う。

 最近は人生100年というけれど、仮に90歳まで生きるとすれば50歳からだと40年、80歳まででも30年という時間がある。だから、もうそこで気持ちを切り替えて成仏すべきなのだ。そうしないとそこからの30~40年を幸せな人生にすることができなくなってしまう。

「成仏」とは一体どういうことなのか?それはすなわち、いつまでも会社での地位や立場や思いに拘泥するのではなく、気持ちを切り替えて、次の人生に向かいなさい、ということだ。

 役員とか部長になったとしても、せいぜい10年かそこらしかいられない会社での地位を目指して何十年もがんばってきた過去はもう取り戻すことはできない。

 だが、まだここから30~40年もの人生があると考えるなら、次のフェーズに向かって気持ちを切り替え、準備をしていくことは十分可能である。それを目指すべきではないだろうか。

 私自身も50歳の時に「成仏」した。もちろん会社員でいる間は仕事に対するロイヤルティは持っていたが、会社に対するロイヤルティは次第に薄れていくようになった。でもそのおかげでいつまでも会社にしがみつくことなく、会社の外での人とのつながりを増やすことができた。

 勤めていた会社で一緒に仕事していた仲間で今でも仕事の上でつながっている人間は一人もいないが、成仏した後につながった外部の人とは今でもしっかりと一緒に仕事をさせてもらっている。

 仕事人生ならぬ出世人生にはそろそろ別れを告げ、次のステージに上がる自分をデザインしてみることを考えてはいかがだろうか。