総予測2023#67Photo:123RF

2023年の主要20業界の天気予報はどうなりそうなのか。ダイヤモンド編集部の業界担当記者が、業績、円安の影響度、原料高・資源高の影響度の「三大指標」を目安に20業界の行方を大予想した。『総予測2023』の本稿では、23年に浮き上がる業界と沈む業界を大胆に先読みした。(ダイヤモンド編集部)

「週刊ダイヤモンド」2022年12月24日・31日合併号の第1特集を基に再編集。肩書や数値など情報は雑誌掲載時のもの。

半導体市場は4年ぶりのマイナス成長
製造業サプライチェーンの混乱は?

 急激な為替変動、原料高、資源高のトリプルパンチが日本企業の経営を圧迫している。加えて、2023年にいよいよグローバル企業の経営者を悩ませることになるのが、米中のデカップリング(分断)問題だ。

  22年以降に、中国は自国に再投資をしない外資企業を露骨に締め出し始めている。中国市場から進むべきなのか退くべきなのか。日本企業の間でも、中国事業の進退に関して経営判断が分かれることになるだろう。

 23年は、日本企業にこれらの“外的な負荷”を跳ね返すだけの真の競争力が求められる年になりそうだ。変革を恐れずに競争優位のある新領域への投資を進めるしかない。

 ダイヤモンド編集部では、業界担当記者が「業績」「円安の影響度」「原料高・資源高の影響度」の三つの物差しで、主要20業種の先行きを大胆に予測した。22年の年末以降、日本銀行の政策転換などの影響で為替は円高方面に振れているが、引き続き為替動向には注目が必要だ。

 それでは、まずは製造業4業界の予報から見ていこう。

 電機、自動車、半導体については、22年末以降の円高進行により、当初見込んでいた為替差益による業績押し上げ効果は小さくなる見込み。業績の不透明感が一層、増していくことになりそうだ。23年以降は、原材料価格とエネルギー価格の高騰により生産コストがさらに跳ね上がるため逆風が吹いている。

 23年の新局面として、半導体世界市場が4年ぶりのマイナス成長となる見込み。半導体不足から一転、スマートフォンやパソコンの需要低下で生産が落ち込む予定だが、23年後半には回復基調へ戻すという見方が根強く、製造業全体を覆う半導体サプライチェーンの混乱に終止符が打たれるかどうかは不透明だ。

 次ページ以降でも、引き続き主要20業種の天気予報を見ていこう。

【次ページ以降で扱う16業界】
銀行、証券、保険、商社、電力、不動産、ゼネコン、航空、鉄道、通信、コンビニ、ビール、旅行、製薬、防衛、米国ビッグテック企業