◇自分の意思を尊重する
自分の意志がまだよくわからない幼少期は、周囲の大人の「こうすべき」に素直に従った生き方をするしかないだろう。しかし、このスタンスをずっと続けると、他人の様子を伺いながら生きることになる。
最初はレールに乗って生きたほうがいいが、途中からは車に乗り換えて走ったほうがいい。著者がこれを感じたのは、自分がゲイだと自覚したときだ。周囲が敷いたレールに乗るならば、女性と恋愛をして、結婚して、家庭を持って子供を育てることになる。しかし、ゲイだと自覚したらそのレールに乗ることはできず、どう生きるべきか悩むことになった。それからは、自分がどうしたいかを考え、自分で道を探していった。
自分の意志を尊重することはわがままとは違う。わがままとは、相手に迷惑をかけて我を通すことである。自分がどう生きるかは、自分が決めることであり、それが誰かの迷惑になることはない。自分の行きたいように生きていいのだ。
◇ラクな生き方のヒントは「自分軸」
ラクに生きられる人は気にしない力を持っている。そして、そんな人は「自分軸」をしっかり持っている。
コマをイメージしてみていただきたい。コマは中心がしっかりしていれば、何かにぶつかっても跳ね飛ばし、安定して回転していられる。しかし、中心が安定せずに揺れていれば、ちょっとしたことで止まってしまう。人生も同じことだ。
著者のいう自分軸とは「こういうとき、私はこうする」という信念や自分らしさのことである。相手への配慮や思いやりがあれば、自分の信念や自分らしさを貫くことは、わがままにはなりえない。
◆それでも気になるときのセルフケア
◇「気になる」をケアする方法
「気になる」は怪我のようなものだ。気になり始めたことから回復する方法も知っておくと、さらに上手に対応できる。
一つの方法は、「気になる」を予防することだ。いったん「気になる」と対策が難しくなることがある。だから、自分にとって気になりそうなことを把握して、その芽を摘んでおこう。まず、最近、気になったことを書き出してみる。そして、書いたものについてよく考え、もっと普遍的な「気になる」状況に書き換える。自分が気になる状況が明らかになったら、それを予防する方法を考える。これを繰り返すことで、自分なりの予防策がどんどんできてくる。