もう一つの方法は、「気になる」のレベルを把握することだ。「気になる」ときに、自分にどれだけダメージがあるかを把握しておくと、際限のない不安から抜け出すことができる。先ほどのステップで明らかになった気になる状況について、それぞれどれくらい気になるかを考えてみるとよい。最高に気になる状態を100点として採点してみよう。
また、別のことに取り掛かる方法もおすすめだ。「気になる」は相対的なものなので、より大きな「気になる」ことが出てくれば、今までのことは気になりにくくなる。旅行の予定、違う新しい仕事、将来の希望や夢など、意図的に新しいポジティブなことに取り掛かってみる。そうすることで、嫌な「気になる」を追い出せるのだ。
【必読ポイント!】
◆自分を少し変えたいあなたへ
◇好き嫌いを口に出し、健全な自己愛を育てる
「気になる」を解決する上で大切なことは健全な自己愛を育てていくことである。自己愛というと、何かと自分のことをアピールするような人のことを思い浮かべるかもしれないが、それは本来の自己愛とは真逆の状態だ。本来の自己愛は、「自分はそのままでいいんだ」と認められることである。
自己愛は性格や幼少期の生い立ちなどが関わって形成されていくものであるため、簡単に得られるものではない。だが、一気に変えることはできなくても、少しずつ変えていくことで、自己愛を育てることは可能だ。
自己愛を育てるとっかかりとして、何か選択肢があるときに「どちらが好きか」を決めてみるといい。そして自分の好き嫌いについて他人に話し、自分の意見で行動しよう。
自己愛を持てていない人は、これすら苦手だ。自分の希望を言えずに「あなたはどうしたい?」と問いかける。自分の好き嫌いにすら自信がないので、相手に聞いてしまうのだ。
自分の意見や好みに「正しい」も「間違っている」も存在しない。自分の好き嫌いを決めて表明し、自分の意見で行動する。そこから自己愛を少しずつ育てていけるのだ。
◇健全な自己愛は、全てを救う
気にしない力、自分軸、その根本に必要なのは健全な自己愛だ。健全でない自己愛は、他者からの評価を気にする。健全な自己愛は、「自分のあるがままでもよい」と考え、他者からの評価を気にしない。自分がどう思うかを考えて、自分のペースで生きていく。そうなれば、「他人からどう思われているか」を気にすることがなくなり、「気になる」が一気に解決する。
健全な自己愛を正しく知り、それを目標としていけば、人生は少しずつラクになっていく。気にしないラクな生き方の最終到達点は「健全な自己愛を持つ」ことなのだ。