色と名前が一致しない
緑色の黒板/ブラックボックス

●緑の板を黒と呼ぶ不思議

 緑の信号を青信号と呼ぶように、実際の色と名前が一致していないものがあります。「黒板」もそのひとつ。黒板は黒ではなく、一般的には深緑か落ち着いた緑をしています。

 明治初期、日本で学校制度が始まるのと同時にアメリカから「ブラックボード」が持ち込まれました。

 その後、日本でも製造が始まりましたが、墨汁を塗って上から防腐効果や補強効果のある柿渋を塗った簡素なものでした。量産体制が強化されていく中、黒は長時間見ているのには向かないことがわかり、昭和29年、日本産業規格によってダークグリーンに替わったのです。

●オレンジをブラックと呼ぶ理由

 中身のわからない重要なものが入った箱を「ブラックボックス」といいます。

 航空機に搭載された「ブラックボックス」は、フライトレコーダーとコックピットボイスレコーダーの別名で、航空機事故があった場合、のちに回収されます。コックピットの音声や飛行状況を知ることは、事故原因の究明に役立ちます。

 この黒い箱、じつは鮮やかな蛍光塗料を塗ったオレンジ色をしているのです。容易に発見できるようにと誘目性の高い色を使っています。実際、大きな事故が起きても回収できなかったことは稀です。