ただ、よく考えてみてください。後回しにすれば、その問題は解決しますか? いつやっても時間がかかるだろうし、いつになってもやる気は起きないのでは?

 ここはグズグズせずに、「朝一番に片づける!」と踏ん切りをつけることです。元気が“目減り”しないうちに、「さあ、やろう!」と自分にかけ声をかけて動くのみ。午後に後回しにするよりも、かかる時間を短縮できるでしょう。

 それに後回しにすると、「早くやらなくちゃ……」という気持ちをずっと引きずることになります。心にモヤモヤを抱えたまま仕事をする、そのストレスで心身の調子を崩すかもしれません。どのみちやらなければならない仕事なのですから、朝一番で片づけるに越したことはないのです。

集中、集中、集中――
だらだら仕事はかえって疲れる

「よく仕事が進んだなあ」と思うときは、決まって「集中力」が発揮されているのではないでしょうか。

 周囲の雑音も耳に入らず、雑念が頭を去来することもなく、目の前の仕事に没頭して取り組めるのは、まさに「集中力」のおかげです。

 そして、その「集中力」が出やすいのが、午前中という時間帯なのです。

 近年は政府が率先して「残業を減らしましょう、なくしましょう」と提唱しています。その背景には、ビジネスパーソンの多くが残業、残業で、心身ともに疲れ切って、健康を損ねているという現状があります。

 そうならないための方策の一つは、「朝の集中力」をフル活用することにある。私はそう思っています。集中力が出にくいときは“だらだら仕事”になって、時間がかかるうえに、疲労感が助長されます。結果的に残業時間が増えてしまうことにもつながります。「朝の集中力が残業疲れを軽減する」と肝に銘じ、午前中の仕事に集中、集中、集中――です。