コロナリスクの高まりで
事前予約と利用に大きな差

 見てきたように新幹線の予約数はコロナ前の70%台の水準だ。2020年度は30~40%台、2021年度は50~60%台だったので、良くも悪くも「コロナ慣れ」が進む中で回復傾向は鮮明だ。ところで以前取材した際、コロナ前と比較して直前に予約を入れる傾向が強まったと聞いた。コロナが感染拡大し、帰省・旅行を中止するリスクを踏まえたものなのだろう。そうなると予約状況だけを2018年度と比較しても実態が見えないということになる。では2021年度の実際はどうだったのだろうか。

 例えばJR東日本の事前(年末年始の予約状況発表時点)の新幹線予約席数はコロナ前(ここでは2019年度比)の66%だったが、最終的な利用状況は同77%であり、確かに大きな差が出ている。

 JR西日本も事前の予約席数は山陽新幹線が同58%、北陸新幹線が同69%、実際の利用状況は山陽新幹線が同76%、北陸新幹線が同78%だった。JR東海の東海道新幹線は、事前予約席数が同62%、実際は79%だった。

 コロナによる利用控えが緩和されれば、事前予約と利用の乖離(かいり)は徐々に縮まっていくだろうが、今年も実際の利用は上回るはずだ。では直近の利用状況はどうだろうか。各社の月次情報から見ていこう。