経済的に恵まれない母子家庭に育ち、高校・大学は奨学金を借りて卒業。そのため、1000万円に迫る“奨学金という名の借金”を背負うことになった。そこで、郷里に母を残して上京、東京国税局の国税専門官となった。配属を希望したのは、相続税調査部門。「どうすればお金に悩まされずに済むのだろう?」と考え「富裕層のことを知れば、なにかしらの答えを得られるのではないか?」と思い至ったからだった。国税職員のなかでも富裕層が相手となる相続税を担当するのは、たった1割ほど。情報が表に出てくることはほとんどない。10年ほど携わった相続税調査で、日本トップクラスの“富裕層のリアル”に触れた『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)の著者が、富裕層に学んだ一生お金に困らない29の習慣を初公開する!
富裕層に学んだ収入アップ時の対応
【前回】からの続き ちなみに、高収入になるほど総支出に占める割合が増えているのが「教育費」です。実際、富裕層は教育費にお金をかける傾向があります。この背景については、本書の第4章でとり上げたいと思います。
私も富裕層にならって生活レベルを上げすぎないように日頃から注意しています。フリーランスの収入は不安定ですが、時に大きな収入が入ってくることがあります。
私の場合、独立して3年目に著作がヒットして、その翌年の収入が大幅にアップしました。公務員時代の月給の数倍もの金額が毎月のように銀行口座に入り、つい海外旅行や高い買い物をしたくなったのですが、そこはグッと我慢。その代わり、住宅ローンの繰り上げ返済や投資信託の購入などにあてました。
“収入激減”も乗り越えられた
今から思えば、あの判断は100%正解でした。というのも、間もなく私の収入は激減してしまったからです。コロナ禍を受けてインタビューや取材などの依頼がなくなり、急に仕事がなくなってしまったのです。
コロナ禍を経てオンラインでの取材が普及したこともあり、現在は多く仕事をいただけていますが、厳しい時期を乗り越えられたのは、ある程度お金をとっておいたからです。
億万長者の質素な生活ぶりに学んだこと
このように“一寸先は闇”なのは、私のようなフリーランスに限った話ではありません。コロナ禍であらわになったように、働き方や収入が突如として変わってしまう事態は、誰にでも起き得ます。
いったん上げた生活レベルを落とすのは簡単なことではありません。常日頃からある程度の倹約に努めることで、生活レベルをむやみに上げず、常に蓄えをしておくことは、先行きの見えない今こそ重要です。私は、このことを億万長者の質素な生活ぶりから学びました。【次回に続く】
※本稿は、『元国税専門官がこっそり教える あなたの隣の億万長者』(ダイヤモンド社)より一部を抜粋・編集したものです。