日本政府側も
現実的な案と評価

さまよえる韓国人『さまよえる韓国人』(WAC)
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 共同通信は日本の首相官邸筋の話として、韓国側の解決案は「現実的だ」と評価したと報じている。同筋はさらに「日本政府内では、日本企業が判決金を支払う財団に寄付できるようにする法案が浮上している」と伝えている。

 岸田文雄首相は1月13日(現地時間。日本時間14日未明)、米ワシントンにおける記者会見で、韓国の解決案に対するコメントを求められ、「韓国内の具体的な動きについてコメントすることは控える」と即答を避けた。その一方で、「自身と尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領が懸案の早期解決を図ることで一致した」とし、「日韓関係を健全な形に戻して発展させたい」と明らかにした。

 AFPは岸田首相が、徴用工問題を解決しようとする韓国との今後の関係に対する希望を表明したと伝えている。

 元徴用工問題の解決は、韓国政府による解決案によって一歩を踏み出した。今後の課題は、それをどう具体化するか、団体の妨害を乗り越え、元徴用工本人およびその遺族にどう接触し、理解を求めるか、日本側の誠意ある措置がどうなるかにかかっている。

(元駐韓国特命全権大使 武藤正敏)