アニメ関連商品に熱狂する若い外国人、
一方で受け入れにくい文化も
ベルギー在住の友梨さん(仮名、26歳)は「出会った相手に『日本で生まれた』というととても歓迎されます」と話す。「行きたい」「いろいろ教えて」とその“食いつき”が半端ではないのだという。
夫のパトリックさん(仮名、27歳)も日本のアニメファンで、今年の正月休みは迷うことなく訪日旅行を選んだ。到着するとすぐさま、アニメ・コンテンツの聖地として知られる秋葉原、中野、池袋に繰り出した。秋葉原では「ジョジョの奇妙な冒険」のフィギュアを探し回った。
パトリックさんは、ゲームセンターの店頭で「ジョジョ」の一番くじを見つけると、「売れ残っているくじを全部買いたい」と一万円札を数枚、財布から出し、「僕はこの日のために汗水たらして働いてきた」と言いながら残り20口ほどをすべて購入した。「ジョジョは欧米でも根強いファンを持つのです」と言い、池袋のゲームセンターでは「ジョジョ」のゲーム「ラストサバイバー」に熱狂した。
パトリックさんは「NARUTO」も大好きで、数々のNARUTOグッズを大人買いしたことを自慢していた。さらに横浜では「ガンダムファクトリー」に直行し、限定版のプラモデルを購入した。
筆者はこれ以前にも、ドイツから来た19歳の少年が夢中になって「遊戯王」のトレーディングカードを探し回るのに同行した。このような行動パターンを目の当たりにすると、愛と勇気、挫折や困難からはい上がる強さをテーマにした日本のアニメ・コンテンツは、世界中の若い観光客をひきつける日本の強い磁力になっていることがわかる。
しかし一方で、すべての日本のエンターテインメント・コンテンツを受け入れているわけではないことも見えてきた。
パトリックさんは「日本にはアイドル文化があるようですが、『キッズアイドル』や『小学生アイドル』という存在は、私たちには実は抵抗があります」と明かした。青少年の健全な成長を重視する欧州は、「子どもたちが性的な目で見られてはならない」ことに非常に敏感だというのだ。「子どもの健全な成長の権利は大人が守らないといけないのです」とも言っていた。