一流は、自分が話したくてもグッとこらえてオウム返しをする。「日曜日、浅草の雷門に行ったら、ものすごい数の観光客でびっくりしたよ」と言われたら「へえ、ものすごい数だったんだ?」。「私、ゴルフが趣味なんですよ」に対しては「へー、ゴルフ?」という感じである。
ポイントは、相手の使った単語をオウム返しした後、口をつぐむこと。自分のペースで話すのではなく、相手の話したいことが出てくるまで待てるのが一流である。
◆好かれる人の極意
◇自然にほめ返しをする
ほめられたとき、三流は否定し、二流は受け取るだけで、一流は自然にほめ返しをする。
三流は、誰かからほめられると即座に「そんなことないですよ」と否定する。謙遜しているつもりかもしれないが、相手はあなたを喜ばせたくてほめているのだから、素直に喜ぶのが大人のマナーである。
それに対して二流は「そうですか、ありがとうございます」などと受け取るだけだ。これだと、相手は物足りない気持ちになる。
一流は自然にほめ返しをし、相手を喜ばせる。「Hさんの社内報のコラム、いつもすごいボリュームあって面白いですよね~」と言われたら「ありがとうございます。ちゃんと読んでくださってるんですね。そうやって社内報の細かいところまで目を通す仕事熱心さが、Mさんの業績につながってるんですよね」といった具合に、さらっと相手をほめるのだ。これなら相手も喜んでくれて、次の会話へとつながっていく。
◇共感だけをする
辛いことがあった人と話すとき、三流は同情して励まし、二流は同感して聞き、一流は共感だけをする。
辛いことがあった人に対して、「私も同じ体験したからわかるわ」と安易に同感したり、励ましの言葉を贈ったりするのは、かなり危険度の高い行為である。なぜなら、相手の感情を本当に理解することなど不可能であり、相手に合った言葉をかけられるとは限らないからだ。
だから一流は、同情も同感も励ましもせず、共感だけをする。「(わたしは)気持ちがわかる」「そんなことがあったら(わたしも)つらいわ~」ではなく、相手を主語にして「(あなたは)つらいんですね」「(あなたは)気を落としているんですね」といったスタンスで対応するのだ。
共感とは、常に相手の感情に意識を向けることだ。どんなときも相手に共感する姿勢を心がけるのが「聞き方の一流」である。